何歳になってもお金の不安はつきまとうものです。暮らしや生き方のヒントをYouTube「60歳からの幸せライフ」で発信しているライフさんは、夫と協力して今後必要になるお金の見積もりを出しているといいます。ライフプラン表のつくり方も紹介してくれました。
すべての画像を見る(全2枚)老後資金の貯蓄を始めた50代半ば、その後突然の夫の退職
ずっと家計簿をつけています。本当にざっくりとしたものですが、家計が赤字になることはなかったから、けっこうやりくり上手なんじゃないかなと。
一方で貯蓄については、これがなかなかうまくはいかず…。子どもの学費の支払いが終わるまで、ほとんどできていませんでした。
だから老後資金の貯蓄を始められたのは、50代半ばになってからのこと。そこからは、生活費を少しでも削って貯めようと、節約に励んでいましたね。
当時は夫がまだ定年退職前だったから、毎日の暮らしに大きな不安はなかったものの、ふとしたときに老後への不安が脳裏をよぎることはありました。
まだまだ節約をがんばらなくちゃと思っていた矢先。夫から、突然の「会社をやめたい」宣言が飛び出しました。
当時夫は61歳で、再雇用制度で働き始めたばかり。まだしばらくは働いてくれると思っていた私からすれば、まさに青天の霹靂です。ところが夫は、なぜか自信満々な顔。いぶかしがる私に夫が「これを見てほしい」と手渡してきたのは、「ライフプラン表」でした。
●ライフプラン表に書かれていたこと
ぎっしりと書かれていたのは、夫が85歳、私が96歳になるまでの暮らしにかかる「出ていくお金」と「使えるお金」、そして年金などの「入ってくるお金」。2人の仮寿命は互いの両親の年齢を参考にしたそうなのですが、表にはそれぞれの年齢に至るまでの、1年ごとのお金の出入りが書かれていました。
きちんと税の勉強をし、ライフプランナー以上の緻密な計算をもとにライフプラン表をつくり上げたという夫いわく、「俺が会社をやめても、食うには困らない。だから俺はやめる!」とのこと。
たしかにその表を見れば、私と夫が寿命を迎えるまでの暮らしは、年金に加え、今ある貯蓄と退職金で十分まかなえることが一目瞭然。夫の言葉に、ものすごい説得力を感じましたね。
●ライフプラン表は「心の保険」
ライフプラン表は一度つくったらそれで終わりではありません。夫は毎年、年初に社会保険料や生活費などの費目ごとに金額を見直しています。1年ごとの誤差は小さくても、10年、20年と積み重なれば大きな額になってしまうから、この作業は欠かせないのだそう。
ライフプラン表は「心の保険」だと夫は言いますが、まさにそのとおり。以前の私たちはやみくもに老後を不安がり、節約と貯蓄に励んでいました。でも将来にわたるお金の出入りを把握していれば、不安な毎日を過ごす必要はないのです。
今の私には、お金への漠然とした不安はありません。心にゆとりをもって過ごすことができるのは、「心の保険」のおかげだと実感する毎日です。