「我をとおす」のではなく「我を抑えて」幸せに

浜島さん
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ここまでお話を聞いていると、自らの感情ととても上手につき合えているように見えますが、じつはこれは浜島さんの「今世の課題」なのだそう。

「以前、占いに行ったときに、私の業(カルマ)は『自分』だと言われました。自分のために生きる人生なのだと。だから、これまではなんでも自分のしたい・欲しいに忠実に生きてきました。でも、当然思いどおりにならないことはあるし、たとえば家族が心地よく感じていなければ、自分も穏やかでいられない。『身近な人を想いやれなければ、自分も幸せになれないよな』と考え方が変化して。私のカルマは『自分の意思を押しとおす』ことじゃなくて、『我を抑えて自分の感情をコントロールできるようになる』ことなんじゃないかと思うようになりました」

また、更年期の「感情の揺れ」については、こんな風にポジティブにとらえることもできるようになったとか。

「もともと感情の起伏が激しいタイプでしたし、もっと自分の気持ちに振り回されるかなと思っていたんですが、それよりももっと広い視点で、周りの人の気持ちもひっくるめて振れ幅が大きくなったというか。だれかが怒っていたら『わかるよ~!』と腹が立つし、だれかが哀しんでいたら一緒に涙が出てくるし。更年期のおかげで、“共感力の感度”がパワーアップしている感じがします」

「この本を読んで、『私だけじゃないんだ』と笑ってもらえれば」とのコメントどおり、共感力をますます高めた浜島さんが書くエッセイには、思わず「わかる!」と声を上げてしまうエピソードがたくさん。一緒に怒って、一緒に笑って、ときにはホロリとしているうちに、心がちょっぴり軽くなるはず。各章の最後には、浜島さんらしい少しじっとりとした不思議な創作短編も収録されていますので、そちらも含めてぜひ楽しんでみて。

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