そして、両親の帰宅
玄関が開く音と共に犬のまぶたがぱちっと開いた! 「お留守番ありがとうな~」と母が帰ってきた! 犬は夢から醒(さ)めきっておらず眠気をまといながらも、土間に駆け降りた。
すべての画像を見る(全20枚)母が「ちゃんと手洗ってきたからよ」と安心させるようにうちらに言うと、犬のほほを両手でつつむ。「ただいま」とやさしくこねるようになでた。
だんだん犬も眠りから覚めてくると、目と鼻をよく働かせて2日ぶりの母を確かめる。
おかえり。
翌日の夕方、居間に行くと母に背中をくっつけて離れない犬がいた。えらい甘えたさんやった。
犬のなかで妹が近くで眠っていた余韻があるのか、両親が帰宅してからも2日ほど「妹は?」と夜になるとほんの少し探していたように見えた。とは言え不眠になるとかちゃうし爆睡しとったから安心して。3日目には納得できたのか穏やかさんになった。
私も家をあけるタイミングがどうしてもあるが、犬の不安をわざわざあおらないよう、表面的に明るく行ってきますをしながら内心ごめんと思う。基本的に犬は人の事情で変化する環境に順応せざるを得なくて、その関係性が心苦しい。逆もめっちゃあるけど。人が犬に合わせる分にはそういうものだと思えるのだけど。