3:「ペットボトルオープナー」をキッチンに
すべての画像を見る(全6枚)高齢になれば握力は低下します。ひねってあける動作は、高齢者にとって不自由を感じることがあります。ペットボトルも同じ。キャップの固さは水道の栓以上ですが、この不便さは100円(税別)で解消できます。
ペットボトルオープナーはいろいろな種類が市販されています。、電動式のオープナーもありますが、お箸を使うくらいの握力があるうちは、100円ショップなどで扱っている安価なもので十分です。その多くに缶のプルトップをあける機能もついています。
冷蔵庫の近くやリビングのテーブルサイドに置いておくと、とても重宝します。
4:「物干し竿」の位置を下げる
洗濯機が全自動になり「洗う」のはラクになりましたが、「干す」ことは高齢者にとって相変わらずの重労働です。
自分の身長よりも高い位置にある物干し竿に、濡れて重くなった衣類を一つひとつ引っ掛けていく。腕を伸ばして高く上げる動作は、まだ元気であれば筋力維持の効果も期待できます。しかし、足腰が弱ってきたら、バランスを崩して転倒するリスクが高まります。
高齢者のなかには、五十肩などで腕が上がらなくなった人もいます。洗濯物を干すのが「ツラい」「肩が痛む」と親が訴えていたら、取り急ぎ物干し竿の高さを低く調整してあげてください。
それでもまだ負担が大きいなら、洗濯物を干す場所を1階の室内の窓際などに変えましょう。部屋干しを好まない人もいますが、転倒のリスクと、親の自立生活の継続を考えれば、室内の低い位置に洗濯物を干すようにしたほうが望ましいと思います。
将来的には乾燥機つき洗濯機への買い替えも検討しましょう。
5:「テレビスピーカー」を設置
耳が遠くなれば、テレビやラジオもボリュームを大きくしなければ聞こえません。近所の迷惑になっていることに気づかず、大音量で一日じゅうテレビやラジオをつけている。もしも、それが自分の親だったら…。子の立場なら耳が痛い問題でしょう。
見たり聞いたりするつもりがなくても、テレビやラジオを日常の習慣としてつけっぱなしにしている一人暮らしの高齢者は意外に多いものです。
朝起きたら真っ先にテレビをつける。そうする理由は、習慣であると同時に「活動している」という安心感が得られるからかもしれません。
「見ていないなら消して」と、親に言うのは簡単です。しかし、とくにやりたいことがなければ親は時間をもてあまします。「うるさい」と言って家族にテレビを消されると、ベッドに入って寝てしまう高齢男性もいました。これでは一日の大半をベッドで過ごすようになってしまいかねません。
親が見ているテレビの音量が大きくなってきたら、テレビスピーカーを使ってみてください。手元に置いておけるテレビスピーカーなら、部屋中に響く大音量にしなくても音声が耳に届きます。小型のタイプはテーブルの上に置いても邪魔にならず、ワイヤレス方式ならコードに足を取られることもありません。
今回は、高齢の親が快適に暮らすためのコツについて紹介しましたが、このほかにも、田中さんの新刊『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社刊)では、離れて暮らす高齢の親に幸せな晩年を送ってもらうために、家族ができることについて紹介しています。
※ この記事は『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
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