50代になり心地よく生きる選択ができるようになったという、ウォーキングインストラクターで文筆家の朝倉真弓さん(現在50代)。ここでは、「無理せず、気にしすぎず、自分らしく」を大切に暮らす朝倉さんが、しなやかに年齢を重ねるための取捨選択についてつづります。

朝倉真弓さんポートレート
50代、「自分らしい取捨選択」で心が軽く
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50代になって手に入れた「心の軽さ」

40代後半の頃、私は「老いていく自分」に対して焦りを感じていました。

若いときよりも疲れやすいのに眠りが浅い、関節に違和感がある、手元の書類が見えづらい…。テレビドラマを観ていても、複雑な人間関係や登場人物の名前をなかなか把握できず、記憶力の低下も気になります。

こうした困りごとに加え、シワや肌のくすみなど、自分の外見が確実に変わっていくことに戸惑いを覚えました。

ちょうどその頃、「フキハラ」(不機嫌な態度や言動で周りを困らせるハラスメント)のひどい人に振り回される…ということも重なり、心身ともに疲弊してしまいました。

しかし50代になった今、「気にしても仕方がないこと」と、反対に「取り入れると暮らしが好転すること」を、自分なりに判断できるようになりました。その結果、心がスッと軽くなり日々を前向きに過ごせるようになったのです。

この先の人生、気にしすぎないと決めたこと

朝倉さんの後ろ姿

変わっていく自分、老いていく自分を見ると、やはりどうしてもがっかりしてしまいますよね。ですが、それも自然の道理。気にしてしまう感情をゼロにすることはできませんが、この先ずっと“老い”に振り回されるのは、つまらないと思ったのです。

そんな私が、「気になるけれど気にしすぎない」と決めたことが2つあります。

●自分の見た目年齢

白髪を染めずにグレイヘアのままでいる私。ある日、Youtubeに投稿したショート動画に「72歳に見える」というコメントがありました。白髪染めの手間や時間を省き、自分らしさを大切にする方が心地よいと考えての選択でしたが、具体的に「72歳」と書かれると、それなりにドキッとします(笑)。

しかし、何歳に見えるかは他人の視点に過ぎません。グレイヘアを選択した以上、実年齢より上に見えることは仕方がない。それよりも、自分自身がどう感じるかが重要だと考えるようになりました。

「72歳」と書かれたショックは確かに大きかったですが、今では「本当に72歳になったとき、今以上にはつらつとした女性でいたい」という目標に変えて受け止めています。

●私とは無関係な他人のご機嫌

かつての私はコミュニケーションを円滑にするため、他人の機嫌を損ねないように細心の注意を払っていました。そのためには、多少自分が損な立ち回りをしなければならなくなっても仕方がないとさえ思っていたのです。

でも、それだけ自分の気持ちを押さえてだれかのために尽くしても、報われないこともあれば、かえって「フキハラ」の標的になってしまうこともあります。

なので、最近は「機嫌が悪い人は、私とは関係なく勝手に機嫌が悪いだけ」と思うようにしています。どれだけ努力しても、他人の気分をコントロールすることはできません。それよりも、自分で自分の気持ちや環境をおだやかに整えることの方が重要だということに気づきました。