50代というのは、親の老後や自分の老後について考え、片付けを始めるのに最適な時期。ここではライフオーガナイザーの下村志保美さんが、ご自身の実家と義実家の片付けについて語ってくれました。
すべての画像を見る(全6枚)50代は実家と自宅の片付けを考える時期
この1、2年で夫の実家と私の実家の片付けが急速に進みました。どちらも母が戸建てにひとり暮らしをしており、健康上の不安もあるし、物騒な事件も心配です。
災害が起こったら…などさまざまなことを考え、施設に入ること(=実家じまい)を考えながら片付けを始めました。
そんな母たちを見て私が感じたことをお伝えします。
1:「必ず」だれもが捨てることに向き合う
家族で住んでいた戸建ての家から施設に入るということは、物理的に空間が小さくなり、そこに持って行けるものには限界があるということ。
キッチンの調理器具やお皿、洋服、バッグ、靴…。今までは年に一度使うかどうかわからないものであったとしても置いておく場所がありましたが、家じまいをするとなるとそうはいきません。
これから先の人生で自分が持てる量と向き合い、取捨選択をする作業が必要になります。
物理的に持っていけない、となると、母たちも踏ぎりがついたようですが、それでもたくさん持っているものの中から自分に必要なものを選んでいく作業は時間的にも体力的にも大変そうでした。
自宅にあると「どれも使える」「どれも一応もっていたい」と思えますが、結局は必ず「捨てる」ということに向き合うことになります。
2:価値があったものでも「いつかは」捨てる
残酷かもしれませんが、ほとんどのものはいつか捨てるときが来ます。
使えるものであったとしても、使う人がいなければ場所を取るだけですし、「いいもの」であっても、それを「いいもの」だと感じる人がいなければ、悲しいけれど価値がありません。
たとえば着物など。購入時はどんなに高価あっても、いざ売ろうとすると悲しいくらいの金額になります。貴金属を除くと、多くの「高かったもの、いいもの」は、手放す時点で資産にはならないことがほとんどです。
実家や義実家を片付けていると、大量のタオルやシーツ類、食器や石けん洗剤が出てきました。新品であればもらってもらえるのですが、開封していたりシミや汚れがあったりするものはそうはいきません。胸が痛いですが捨てるしかないのです。