若者をもっと愛媛に呼び寄せたい
すべての画像を見る(全4枚)歩いて行ける近所に同じ感覚で話せる若い人がいない(姉とはよく話すけど)。畑をしていると用はなくても話をするから楽しいんだけど、近所の若者はだれもやってない。
そうすると、畑をしとるおじいさんおばあさんと自然と仲よくなる。ときどき作物の交換をして、玄関先でお茶を飲んで長話をするほど仲よくなった方もいる。
でも、年長者たちは先に旅立つ。移動販売が来たらいつも立ち話をしていたおばあちゃんが最近亡くなった。あっちのおばあさんは施設に入った。いつしかあき家の方が増えてしまった。
これはもう、東京の友達をこっちに呼び寄せるしかない。
本気で、東京の友人の就職活動を手伝っていたら、隣町での就職が決まった! そうなるとにぎやかで便利な隣町に住む人がほとんどだが、うちの地域のあき家に住めば半額以下で住めるよ! 一緒に畑もできるよ。サルがいっぱい見られるよ。と、誘導してみた。
友人たちが、都会から近所に住んでくれたら絶対楽しいじゃないか。
家探しが若者との交流のきっかけに
まずは実家の近くのあき家からあたってみようと、力になってくれそうな方にお願いしてみた。
「だれが死んだいう寂しいニュースばっかりじゃから、若い子が来てくれたらうれしいわ。よし、がんばって持ち主に聞いてみよう!」
いろんな人が取り次いでくれて、目下、友人の家探し中である。
しかし、あき家はいっぱいあるのに、なかなか住める家が見つからない。家の中の片付けが面倒という方もいれば、長いこと使っていないのでインフラがダメになって修繕が必要という家もある。ほかには、お仏壇があるから。お法事で親戚が年に一度集まるから。農業の合間に休憩所にしているから。なにかあったときのために取っておきたいから…。ちーん。
こんなにあき家があるのに、貸してもらえる家はまだ見つかっていないのだった。もちろん不動産屋さんとか市のHPとかには出ているけれど、心細いのでなるべく近くに住みたいという友人の気持ちもあり、近所で探しているのだ。いや、今頭に浮かぶだけでも10軒くらいあるのだけれどね。
家は、風をとおさないとすぐダメになる。湿気の多い四国ともなればなおさらだ。残しておきたい気持ちも分かるけど、だれかに住んでもらう方が家にとってはいいと思うのだけれど。
そんなこんなで、正月から近所の人たちとあれこれと相談しながら、交流を深めるきっかけにもなっています。若い人が入ることで、地域にも新しい空気を入れたないな。家も地域も、空気の循環は大事だと思う。
楽しいことが増える一年になりますように。
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