夫婦で着眼点が異なるのも、映画を観る楽しさ

鶴田真由さん正面
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自分が属するコミュニティとどうつき合っていくか、そこに違和感を感じたときにどうやって離れるか…。それを考えさせられるのが、現在放送・配信中の「連続ドラマW 誰かがこの町で」です。ドラマは一見平和な新興住宅地を舞台に、同調圧力の恐ろしさを描いた社会派ミステリー。鶴田さんが演じる弁護士の岩田喜久子のもとに、「消えた家族を探してほしい」と若い女性が訪ねてきたことから物語は始まります。

「過去と現在、2つの時代を行き来しながら、ある一家の失踪事件と、過去の誘拐致死事件がつながっていく。それぞれのストーリーがバラバラのようで、最後に集約されて1つの織物のようになっていく、巧みな構成がすばらしいなと思いました。WOWOWの『連続ドラマW』シリーズならではの黒の効いた映像も、重厚感を生んでいますよね」

外を見る鶴田さん

ドラマや映画は、見る人を映し出す「鏡」のようなもの、と鶴田さん。同じ映画でも、そのときの自分の年齢や環境、心理状態によって感じ方が変わるのも、観る醍醐味だと話します。

「たとえば私は、どうしても登場人物の心の動きを追ってしまうので、細かい所まではそんなに見ていないんです。だから夫と映画を観ていると、夫が『ああ、あそこで置いたコーヒーカップがここでつながるのか!』なんて言ってても、私は『コーヒーカップなんて置いてあった?』ってピンときていなかったりして(笑)。『なんでそこを見てないの?』って夫に巻き戻されたりするんですけれど、私はそれが分からなくても楽しめる(笑)。同じものを観ていても、人によって着目しているポイントが違うのも、ドラマや映画のおもしろさですよね」

【『連続ドラマW 誰かがこの町で』】

佐野広実の同名小説を実写化。2001年、埼玉県の新興住宅地・福羽地区で6歳の少年が殺害される。事件から23年が経ち、弁護士・岩田喜久子(鶴田真由)のもとに大学時代の友人・望月良子(玄理)の娘、麻希(蒔田彩珠)が訪ねてくる。喜久子の指示で調査員の真崎雄一(江口洋介)は、かつて望月一家が暮らしていた福羽地区へと向かうが…。

WOWOWで放送中(日曜22時~)。WOWOWオンデマンドでは全話4を一挙配信中。また、WOWOW公式YouTubeにて、第1話を無料配信中です。

【1話無料配信中】

※配信期間:2025年1月14日 17時まで

出演:江口洋介 蒔田彩珠
鶴田真由 宮川一朗太 尾美としのり 玄理 戸次重幸 本田博太郎 でんでん 大塚寧々
原作:佐野広実『誰かがこの町で』(講談社文庫)
監督:佐藤祐市 脚本:前川洋一 音楽:木村秀彬
企画・プロデュース:青木泰憲 プロデューサー:廣瀬眞子 水野綾子
制作協力:共同テレビジョン 製作著作:WOWOW