19時は夜ではなく、カフェタイム

以前、19時に知人とレストランに集まった際、なにを食べるのかちょっと楽しみにしていきましたが…いつまでたっても全員が飲み物しか頼まず、結局21時に「じゃこれから友達と食事だから!」「予定があるから!」と解散となりました。

食事メニューをチラ見していた私は空振り気分。スペインの19~21時はまだまだ夕方でカフェの時間帯なんです。夕食を一緒に取る友達と早めに会ったときも、19時にはバーのような場所で簡単に軽食を取り、21時から夕食用のお店に行くようなスタイルです。

夕食スタートは21時が基本

繁華街
飲食店街が遅い時間に盛り上がるのがスペインならではです
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夕食の開始は21時が多く、22~22時半の集合もよくある話です。そして話好きのスペイン人は食事が1時間で終了することはまれで、深夜まで賑やかさは続きます。店舗も24時頃まで開き、終電の25時半まで地下鉄も混雑しています。

「いったいいつ寝ているの?」と思うような光景なのですが、朝はがんばって起きて、シエスタでゆっくり休憩し、夜まで元気…という繰り返しなのかもしれません。

夏時間、冬時間と季節に合わせて行動する

街並み
季節に合わせた時間軸でスペイン人は動いています

現在ヨーロッパでは3月と10月に時計を1時間調整し、夏時間と冬時間を設けています。この目的は太陽光の効率を高めエネルギーを節約することと言われていますが、実際にスペインの夏は22時頃まで明るく、20時頃に家に帰るのがもったいないくらいに感じます。

逆に冬の朝は8時頃まで暗く一日のスタートはのんびり。自然光を有効活用するために設定された季節ごとの時間軸。思えばどんな季節でも、食事をテラス席でするスペインの人たちは、節電対策としてもモデル的な生活かもしれません。

以前見かけたスペイン語のテキストの例文で「今日の仕事はとても疲れた。なぜなら今もう18時。とても遅くなってしまった!」と嘆く文章がありました。もちろん仕事の業種や種類によりさまざまな時間枠がありますが、スペインの人たちは仕事ありきの私生活ではなく、私生活ありきの仕事…自分の生活スタイルを保ちながら仕事を組み入れていくことを自然にこなしているように感じます。

自然光を浴びる時間が長いほど、心身の健康が調整され幸福に結びつくとも言われている現代。真冬でもコートを着ながらテラス席で食事を楽しむ姿は、見ていても仲間入りしても幸福に近づけそうです。