年齢を重ねるたび、あれもこれもとがんばりすぎると、しんどいことが増えてきます。そんながんばりすぎているときこそ、心身ともに手放していくことが大切だと教えてくれたのは、50代60代の暮らしに関する著書を多く持つ、著述家の中道あんさん。自身の体験を元に、手放すことの大切さについて語ってくれました。
すべての画像を見る(全2枚)「がんばりすぎ」「もちすぎ」を見直そう
私は、幼い頃から「あなたは長女だから」と言われて育ちました。そのせいか、いつも「ちゃんとしなきゃ」と虚勢をはっていました。近所のおばさま方から「偉いね~」と言われるたびに、しんどくなるばかり。だって本音は、家の手伝いも勉強もなにもかも放り投げて「遊びたい!」と、言いたかったのですから。
でも、言えない…。それを言ってしまうと、自分の存在価値がなくなってしまうようで不安だったのです。だから、あれもこれもひとりで背負い込んでしまい、ひそかにずっと心の中で「私はスーパーマンちゃう!!」と叫んでいました。
そんな私を助けてくれたのが、老化です。老いることはなにも悪いことばかりではありません。だって、体のほうが心より先に“がんばり続けるのはしんどい”とSOSを出してくれるのだから。若い頃のような気合や根性ではどうにもならず、「もうこれ以上がんばったらアカンのや」と実感しました。
以降、“等身大で生きる”と心に誓い、それを実行しています。とくに気をつけているのは、物心両面ともにもちすぎないこと。