大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの漫画を紹介! ここでは、高見沢さんが懐かしい気持ちになったという女子高校生バンド物語『ふつうの軽音部』について語ります。
等身大のむきだし全力青春音楽漫画『ふつうの軽音部』
『ふつうの軽音部』クワハリ/原作 出内テツオ/作画集英社刊 (1)~(4)巻
ちょっと渋めの邦楽ロックを愛する、新高校1年生・鳩野(はとの)ちひろ。憧れのエレキギターを買い、軽音部の門をたたき、なんとかバンドを組むが…。個性豊かな部員たちと繰り広げる、超青春音楽ドラマが開幕!
ふつうの軽音部1(ジャンプコミックス)
懐かしい気分とJロックの成熟も感じた
タイトルは『ふつうの軽音部』。でも、けして普通ではない揺れ動く思春期の葛藤が丁寧に描かれたコミックです。
初めてのギターに、初めてのバンド結成、初めてのライブなど、周囲の人間関係に悩みながら主人公のはとっちが成長してゆくさまは、どことなく自分のミュージシャン人生とダブってしまい、なにやら懐かしい気分になりました。
とは言え、今どきの女子高校生バンド物語なので、僕らとは根本的に違います。僕らの頃は洋楽コピーが主流でしたが、本著ではJロックのコピーがメインで10代の心をわしづかみにするような名曲がたくさん出てきます。それだけ日本のロックが成熟したという証しでもありますね。
はとっちの性格は真っ直ぐだけど少々屈折気味、自分の歌に自信がもてません。しかし、眠っていた個性的な歌唱力にバンド仲間が気づき覚醒しつつあります。僕らもデビューして50年経ちましたが、3人でハモる! という楽しさの覚醒はあの頃のまま少しも変わっていません。