人生100年時代、これまでやりたかったことをかなえるために挑戦する人も増えています。50代で起業したトップブロガーの中道あんさん(60代)も、さまざまなことに挑戦中です。そんな中道さんが、60代が大切にしておきたいことについて語ります。

中道あんさん
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60代から生まれ変わるチャンス!

「十干十二支(じっかんじゅうにし)」という言葉をご存じですか? 私は、十二支で示される卯(うさぎ)年生まれです。一方、十干は十二支に比べるとなじみが薄いかもしれませんが、もともとは1から10までを数えるための言葉です。この十二支と十干を合わせたものが「干支(えと)」であり、全部で12と10の最小公倍数の60通りあります。つまり干支は60年で一巡することになり60歳で「暦が還る」ことから還暦と呼ばれるそうです。

うさぎ年の私が60歳になったのは2023年のこと。1年以上すぎて今さらなにを言っているのだろうか? と思われるかもしれませんが、人生100年の時代の60歳は単なる通過点だとは思えなかった理由が、今さらのように分かりました。

60歳は、生まれた年の干支に還るため、これまでをひと区切りする人生の転換点でもあります。いわば、新しい人生を始める赤ちゃんのようなものではないでしょうか。60歳になる1か月前に会社を設立したのには、第一ステージのゴールにしたかったのかもしれません。

●とはいえ、もう無理がきかない年齢

60歳になった一年間は、これまでの人生の延長線上にいる気分で、経験や知識を活かして「なにかをやろう!」「たしていこう!」と思って予定を詰め込みすぎてしまいました。この1年のスケジュール手帳を見返してみると、真っ黒に染まった月が何度もありました。

ただ、前向きな気持とは裏腹に体が追いついていかなくなったのもたしか。バタバタ準備をしたせいか親の法事の朝にギックリ腰になったり、風邪で熱を出して温泉旅行をドタキャンしたりと、周りにも迷惑をかけることに。がんばればがんばるほど、どこか空回りをしている。「おや? これまでの自分とは違うぞ?」それで、いったい自分はなにがしたいんだろう? 60代に自分らしく生きるってどういうことだろう? とアンテナを張っていろいろと考えることになりました。60歳の一年は生まれたての赤ちゃん同様、手足をバタバタさせて終わったような気がします。

そこで感じたことがありました。