50代は徐々に暮らしを小さくしていく時期かもしれません。「片づけをした人の話を聞いてものを手放し始めた」と語るのは、元祖節約主婦として知られる、カウンセラー・エッセイストの若松美穂さん。いざ自分が片づけを始めると、様子を見ていた家族の考え方も徐々に変わっていたそうです。ここでは若松さんに片づけることで生活が好転した例と、衣類を仕分けるコツを聞きました。

帽子入れにはすでに使っていないものがあり、数点残して処分しました
片づけ上手に感化されて整理をスタート。帽子は使っていないものがあり、数点残して処分しました
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やる気のあるうちにまずマネしてみる

皆さんが物事を始めるきっかけはなんでしょう。私の場合は、経験談を見聞きすることです。これがかなりの刺激になります。掃除や片づけなどの家事から、仕事や人間関係まで。うまくやっている人には、オリジナルのコツや要領のよさ、失敗談、ルール、時間配分など、参考になる要素がたくさんあります。

お話を伺いながら自分と重ね合わせていくと、どんどん気持ちが盛り上がり、私もやってみたくなる。この「すぐにマネをする」という単純さが、ことを進めるミソのように感じます。

マネなら私にもできます。本を読む、話を聞く、見せてもらうことは最初のきっかけにすぎません。やってみないことには、なにも始まりません。やる気のあるうちに、まず模倣してみることが大切だと感じています。

暑すぎず寒すぎず、10月は片づけに最適

金木犀

あるとき、家じゅうのものを年1度必ずチェックする方の話を伺いました。いわく、「年末は忙しくなるから10月中にするのよ」と。たしかに、暑すぎず寒すぎずちょうどよい季節です。フルタイムで働いて、休日にはほかのお仕事を手伝っている方なのに、する人はするんだなと。決めたことを実行に移す力をマネしたいと思いました。

また、とあるTV番組で、部屋がものであふれているひとり暮らしのお宅を拝見。こんなにものが必要なのかと思いつつ、ふと自宅のことを振り返ってみました。すでに登場回数が少ないものもありますし、さらに処分できるものがあるような気がしてきました。

そのとき、先ほど紹介した10月にお掃除をする方が、「玄関をいつもきれいにしている」ことを思い出しました。その日のうちに玄関収納をあけて、手放せそうなものをチェックしました。

ファッションや暮らしが変わり、手放すものが増えた

玄関収納にさらに隙間が

こうして私が動くと、家族にも変化が生まれます。私が「これはいる? これはどう?」と夫に聞きましたら、これまでとは違う答えが返ってきました。

以前は「取っておく場所があるから、無理に捨てなくても」と言っていたのに、「どれもいらないかな」とひと言。50歳を過ぎてファッションや暮らしが変わり、手放してよいと思うものが増えてきたようです。玄関がすっきりして暮らしやすくなました。

このように、どこかで考え方が変わる日が来るかもしれないので、うちの夫や家族は捨てないと言うだろう、と決め込むのはもったいないかもしれません。これはチャンスと思い、さらに家じゅうを見まわし、少しずつ手放しています。