「得意なこと」を聞かれても、多くの人が答えられない
先ほども書いたように、講演会では「いちばんの強み」について質問をします。
「あなたが世界でいちばん得意なことは? これだけは、世界のだれよりも上手にできるということはなんですか?」
ほとんどの人は答えにつまります。そして多くの女性が、終了後に私のところにやってきて、こんなふうに告げるのです。
「あの…私の“いちばんの強み”って、本当につまらないことなんです」
「たとえば、どんなことですか?」
「整理整頓と計画がすごく得意なんですけど…」
「なるほど、細かいことを片づけられるのですね! ぜひ私の仕事を手伝ってください。その“いちばんの強み”を尊敬します。じつは私は先延ばし癖があって、整理整頓ができないのです。なにひとつ片づけられなくて、周りの人も同じなので、あなたみたいな人は大歓迎です!」
自分の強みをたやすく無視してしまうのには、さまざまな理由があります。自己評価が低かったり、欠点にしか目が向かなかったり、それとも、世間がそれを評価や注目に値するものと見なしていないのかもしれません。
自分の価値に気づくのが相当難しいのも不思議ではありません。一部の強みには「価値がない」と思い込まされているのですから。
小さな強みを言語化して、認める勇気をもつ
自分がもつ強みを知り、自信を言語化することができれば、もっと勇気をもって世界に飛び出すことができます。そして、もっと思いやり深くなれます。
もっと周囲の人とつながりをもち、不当に人と自分を比べるのをやめるようになります。なぜなら、本当に自信のある人はそうするからです。
この正真正銘のあなたの能力が、自分の中にどっしりと構えています。そのことを自覚できれば、周囲の変化に振り回されて自分らしさを見失うことがなくなります。恐れに直面したときには、行動を起こすように励ましてくれます。自分を信じることができれば、もっと遠くまで行くことができます。目標を達成して、本当の充実感を得ることができるのです。
『なめられない品格 誰からも信頼されるようになる8つの力』(飛鳥新社刊)では、さらに強みを掘り下げるために、独自の心理テストと、テストから判明する「8つの強み」を解説。自分だけの強みの掛け合わせで、オリジナルの自信を手に入れることができます。ぜひ、読んでみてくださいね。