昨今、自分らしくひとり暮らしを楽しんでいるシニアが増えています。京都の中心地で、月5万円以内のひとり暮らしをしている食養料理・野草料理研究家の若杉友子さん(86歳)もそのひとり。ここでは、若杉さんの最新著書『若杉ばあちゃんの今日も明日も身軽な暮らし』(すばる舎刊)より、お金をかけないファッション事情を紹介します。

若杉友子さんのコーディネート
若杉友子さん(86歳)。いろんな生地で友人が縫ってくれた羽織と、草木染めの明るい色のストールのコーディネート
すべての画像を見る(全3枚)

30年前の服でも、リメイクしたらとってもおしゃれ

若杉ばあちゃんファッション
知り合いがくれたこの羽織が日々の定番

ばあちゃんには、いま売られている洋服を買うって感覚がなく、普段も外出も着物をリメイクした服がお気に入り。全部、友達が縫ってくれます。

「何10年も前の昔の布が好きだし、それを大事に着るのも大好き。布を自分で探して見つけ、自分でほどいて洗う。それを友達に渡すと、ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっと、素敵に仕立ててくれるんです。ちなみに、ズボンでもワンピースでも2千円くらいしか取らなくて。『もっと取らないかんよ』って言っても『いいのいいの』とか『いらんいらん』の一点張りの人なんです」

普段着も、講演会や料理教室で着るものも、それで一年中間に合っています。しゃれたものはないけど、欲しいとも思わないから大丈夫。なるべく持ちたくないから、何着かを毎年着回し。夏はワンピースを3着から4着。ジャブジャブ洗えるものを手洗いして過ごしています。冬はセーターを着ます。

「私があんまりみすぼらしい格好をしていると、可哀想だと思うのか、手袋や靴下、マフラー、セーターをプレゼントしてくれる人がいます。だから冬も不自由していません。私好みの自然素材でできた物をくれるので、大事にしていつまでも使わせてもらいます」

若杉ばあちゃんの夏服
この本の担当編集者が撮影した1枚。夏も首と足首は冷やさず、骨折が命取りになるので足袋とソックスを重ね履き

袋や手提げなどは、お年寄りがつくったものをいただくけど、手縫いで温かみがあるから大好きで、古くなるまで使い込んでも手放せません。財布や小銭入れは布製で、ちっちゃくて年季が入っています。

「どこでも持っていくし、畑にも持っていくから土で汚れてくたびれてます。ガンが治った方がお礼にくれた思い出深い財布を使っていたこともありました。おかげさまでいい人たちに恵まれて、ありがたい人生です」

ばあちゃんはこういう人の親切心にも心から感謝しています。

 

若杉ばあちゃんの 今日も明日も身軽な暮らし

若杉ばあちゃんの 今日も明日も身軽な暮らし

Amazonで見る