電気代が6月から大幅値上げされ、エアコン頼みとなる夏本番を前に大きな痛手に。そこで、エアコンをできるだけ使わずに涼しくなる家づくりのコツを、一級建築士で住宅医の資格をもつ田中ナオミさんに教えてもらいました。マイホーム建築時やリノベーション時にはもちろん、今住んでいる家でもまねできるテクニックをご紹介します。

涼しくなるツボ1:断熱の工夫

二重扉
てっとり早く窓を断熱化できる、内窓の設置。「集合住宅だと窓は共有部で取り換えられないため、内窓をつけるのは簡単でおすすめ」

「家の中でもっとも熱の出入りが大きいのが窓。まずは窓の断熱をまず考えましょう」(田中さん、以下同)。昨今、熱の伝わりを抑える複層ガラス窓も増えています。

「今ある窓に内窓をつけるのも有効カーテンやよしず、緑のカーテンで窓をおおうだけでも効果があります」

ハニカムスクリーン
ハチの巣状の空気層が熱気を遮るハニカムスクリーン

カーテンのなかでもハニカムスクリーンは、空気層で窓辺の断熱性が高まるうえ、スッキリしたデザインも魅力。

また、緑のカーテンは、窓をツル性の植物でおおい、夏の強い日差しを遮ります。

千成びょうたん
以前、田中さんが育てた千成びょうたん

「鉢とネットがあればOKなので、ベランダでも手軽に実現可能です。小さい実がたくさん成る千成びょうたんはとくにおすすめです」

涼しくなるツボ2:風を循環させる知恵

シーリングファン
田中さんのご自宅にある空気の循環を促すシーリングファン。「エアコンによる冷やし過ぎを抑えるため、節電につながります」

暑い夏、帰るとすぐさまエアコンをつけがちですが…。

「まずは窓をあけ放して風をとおすのを習慣に。扇風機でもいいですが、もっと強力なサーキュレーターを外に向けて回すと、こもった熱気を逃すのに効果大」。では逆に外からの風をうまく取り込む方法は?「高所にも窓をつくると、下から上へ、風のとおり道をつくることができます」

シーリングファン&オーニング窓
左/この時季、重宝するサーキュレーター。使用時は窓をあけて外に向け、室内にこもった熱気を逃す。「電気代はごく わずかで気になりません」右/田中邸の吹き抜け上部には開閉OKのオーニング(日除け)窓が。「下の窓からの通風が確保できるから空気が淀みにくい。その日の気温や天候に合わせて開閉の角度を調整します」

また、家を建てる際に大事なのは、地域の風向きを知ること。「その地域の代表的な風向きが分かる気象庁の『風配図』というデータが参考になります。風通しは涼を呼ぶだけでなく、カビの発生などを抑えるためにも大切」。

風配図
気象庁・東京管区気象台「管内の風配図」より https://www.data.jma.go.jp/tokyo/shosai/chiiki/fuuhai/

上の図は、左が東京都、右が長野県の通年の風配図で、30年間、風向きを地域別に1時間ごとの風を風向別に集計し、全体からの割合で表しています。赤で示されているのが風向きで、例えば東京では南北方向、長野では東西方向が多いことが分かります。

涼しくなるツボ3:除湿のための素材選び

「涼しさを感じるには、気温だけでなく湿度も大いに関係します」と田中さん。確かに日本の夏は湿度が高く、ジメジメして余計に暑苦しく感じます。エアコンや除湿器を使わずに除湿できる方法はある?

「例えば床なら無垢材、壁なら珪藻土や漆喰、ドイツ漆喰、障子に貼る和紙といった自然素材は、素材自体が呼吸するので、空気中の余分な湿気を抑えてくれます」。湿気が軽減すれば空気がサラリとするだけでなく、においやカビ、さらに結露の発生も抑制。「家族の健康に良く、長い目で見て家が長持ちする利点も挙げられます」

家具

「よく触れる家具や壁、床などに自然素材を 使うと、感触がベトつかないので快適です」

床

田中邸の無垢材張りの床。「コーティングすると呼吸を妨げるので浸透性のオイル仕上げです。キズも”いい味”に変わるのが自然素材ならではのポイントです」

 心地よく住まうための家づくりの情報をさらに詳しくゲットできる!

知っておきたい!「これからの家づくり」

最後に、より心地よく住まうための家づくりについて、知っておきたいポイントを田中さんにお聞きしました。

Q&A用画像

●マイホームの建築で失敗しないためにいちばん大切なことはなんですか?

まずは自分たちの幸せを考えること。家は生きていくうえで非常に重要な場所ですから、自分たちにとって、なにがいちばん幸せかよく考えましょう。そのためには、優先順位をつけることがとても大切。
間取り、材質、設備、性能などすべてにイエス、ノーをつけていき、その結果でメーカーや建築家を絞っていくと失敗が少ないと思います。家づくりは本来楽しいこと。情報に振り回されずラクにいきましょう。

●費用面で注目度の高い中古住宅のリフォームやリノベ。ほかにどのようなメリットがありますか?

費用以外にもメリットは多く、すでに建っているので景色や風向き、聞こえる音などがすぐに把握でき、近隣も決まっているから住環境を判断しやすいのは特に大きなポイントです。
築50年級の古い建物でもコストを抑えてリフォームできる可能性があることも魅力ですが、その場合は必ず調査員を介し、建物の状況を調査すること。

●「ZEH」「LCCM」などサスティナブルな家づくりの今後についてどう思いますか?

エネルギー収支をゼロにするZEH、さらに廃棄にかかるCO2排出ゼロまで目指すLCCMなど、将来的にはSDGs住宅が普通の仕様になるかもしれません。その心づもりで家づくりを考えましょう。
たとえばサスティナブルな住宅に欠かせない太陽光発電システムはまだ発展途上ですが、技術開発は日進月歩。長縄飛びで『いつ輪に入ろう』と準備しつつ、いざ『今だ!』となるような感覚で、いつか「太陽光発電は標準仕様」となったときのために困らない屋根の形状や傾斜を考慮して建てるのが望ましいといえるでしょう。

クオカードが当たるチャンスも!「心地よく住まう家」のヒント満載のカタログを無料でお届けします

新築やリフォームを検討している人、いつかは理想の住まいを手に入れたい! と考えている人に役立つ、住宅や住宅設備の最新情報など、家づくりのヒントがつまったカタログを無料で申し込めます。さらに、カタログを申し込んだ人のなかから抽選で30名にクオカード1000円分をプレゼントします!

QUOカード

コンビニ、ドラッグストア、ファミレス、カフェ、ガソリンスタンドなど全国6万店のお店で支払いに使える便利なQUOカード

心地よく住まう家づくりのヒント満載のカタログをゲット!

カタログはミサワホーム(2種類)、淀川製鋼所、YKK APの3社を用意しました!

カタログ4種

●「安心」と「夏も冬も快適」が同時にかなうミサワホームの家

自然災害への対応力(レジリエンス)が強化され、なおかつカーボンニュートラルに貢献する「ZEH」と「LCCM住宅」を兼ね備えた未来志向住宅「SMART STYLE Roomie」のタブロイドと、「備える」「守る」「支える」という3段階で暮らしにひとつ上の安心を提供する「MISAWALCP」カタログをセットでお届けします
問い合わせ先/ミサワホーム 0120・175・330 https://www.misawa.co.jp/zassi/ms/

●住まいのスッキリを実現!「ヨド物置〈ディズニーシリーズ〉ミッキーマウスモデル」をはじめとした淀川製鋼所の物置

「ミッキーマウス」をテーマにしたキャッチ―なデザインの「ヨド物置 <ディズニーシリーズ>ミッキーマウスモデル」が新登場。また、小型物置「エスモ」、中大型物置「エルモ」などサイズ・カラーのバリエーションが豊富な商品も紹介されています。自宅のニーズや好みにぴったりの物置が見つかること間違いなしです
問い合わせ先/淀川製鋼所 フリーダイヤル 0120・882・667 https://www.yodomonooki.jp/

●古くなった玄関ドアを簡単にリフォーム!YKK APの「かんたんドアリモ」

「古い玄関ドアを新しくしたいけど、工期が長そうだしコストもかかりそう…」というイ
メージですが、「かんたんドアリモ」ならなんと約1日※でリフォームできるんです!デザ
イン・カラーが豊富だからイメージどおりに仕上げられ、断熱性や防犯性もアップするな
どいいことづくし。まずはカタログでじっくりチェックして
※施工時間は諸条件によって異なります
問い合わせ先/YKK AP フリーダイヤル0120・20・4134 https://www.ykkap.co.jp/

 QUOカードが当たるかも!心地よく住まう家づく🄬満載のカタログをゲット!