夏の日本女性の敵、太陽を愛するフランス

バカンス中のフランス人
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ある夏の日、日本旅行に来ていたフランス人がおびえた目で言いました。「今日、自転車に乗るダースベーターを見た」と。

それは紛れもなく、顔全体を覆う黒光りするサンバイザーをかけ、黒い手袋で二の腕まで覆った自転車に乗る人のことでした。

日本では日差しが気になる初夏くらいから日傘や例のサンバイザーなどが女性たちの必需品で白い肌を守っていることを説明すると、夏は日やけに徹する自分たちとの違いにとても驚いているようでした。

フランス(ほかのヨーロッパの国々でも)で、サマータイムになった頃から、時間があれば日向で顔を太陽に向けている人たちを見かけます。日やけは皮膚によくないなど様々な意見はありますが、冬の間に青白くなってしまった肌を早く健康的に見せたいと思うのでしょう。

昔、日に焼けているのは労働者の象徴で、夏の白い肌がフランスでも好まれていた時期もあるようですが、今は日に焼けた肌はバカンスに行ける余裕のある人と見られるそう。

しかし、それよりも、夏は日差しがあるからそれを享受しているだけ、という自然に逆らわない考えがあるように私は思います。ヨーロッパでは冬に太陽を恋しく思う時期が長いからかもしれません。

内面の美しさを映し出す意外なものは「声」

銅像

外国人は喜怒哀楽などの表現が日本人よりはっきりしているので、声も大きいと思われがちです。確かにそういう文化の国もあると思います。

個人的な意見ですが、フランスで人が振り返るような大きな声で感嘆の意を表している人をあまり見かけません。声高になにかを話しているときは、いらだって抗議しているか、なにか特別な理由で大声を出しているか、という感じです。公共の場での声の音量についてのフランス人の感覚は日本人のそれに近いのではと思います。

フランスの友人は、街で会っているときに興奮してつい大きな声を出してしまうと、すぐに気づいて「Oh, pardon. (ごめんなさい)」と言います。

フランスの美しい女優さんたちも、低めの声で落ち着いて話す人が多いのです。たとえばカトリーヌ・ドヌーブやジュリエット・ビノシュ。知性を感じさせるその声と話し方が外見の美しさにプラスして、さらに奥深い雰囲気をもたせるのだと思います。

フランス人の思う美しい人になるには

自分を受け入れて自然体で過ごす。あえて日やけをする必要はありませんが、自然に逆らわずに暮らしてみる。少しトーンを落として落ち着いた声で話す。これだけでフランスっぽい雰囲気が想像できます。

たとえるなら、外国人ながらフランス人から憧れられた晩年のジェーン・バーキンを想像していただければ、わかりやすいでしょうか。