旅行ジャーナリスト小野アムスデン道子さんが、世界じゅうを巡って出合った「名店の味」をレポート。家でも意外と簡単に再現できるレシピを紹介します。
今回は、リッチなチョコレートの味がたまらない、ヒルトンホテルのブラウニーです。

ヒルトンホテルのブラウニー
名門ホテル・ヒルトンのレシピ
すべての画像を見る(全4枚)

意外と簡単!シカゴのヒルトンから生まれたブラウニーのレシピ

2019年に創業100周年という名門ホテル、ヒルトン。じつはチョコレートのお菓子「ブラウニー」の生みの親だとご存知ですか?

ブラウニーが生まれたのは、アメリカのイリノイ州シカゴのホテル「パーマー・ハウス・ヒルトン」。

アメリカのイリノイ州シカゴのホテル

今もクラシックな雰囲気がすてきなパーマー・ハウス・ヒルトン。

1893年に開催されたシカゴ万国博覧会に際し、パーマーハウス創業者の妻であり、女性委員会の会長も務めていたバーサ・パーマーが「美しく簡単に運べて、たくさんの人に味わってもらえるお菓子を」とペストリー・シェフにつくらせたのが、ブラウニーでした。

タグにはそのエピソードと、レシピが記されています

パーマー・ハウス・ヒルトンでブラウニーを買うと、タグにはそのエピソードと、レシピが記されています。

ホテルで売られているものはもちろんおいしいですが、レシピはとてもシンプルなので、家でも再現することができます。

【材料】


・セミスイートチョコレート 400g
・バター 450g
・グラニュー糖 340g
・薄力粉 113g
・卵 8個
・砕いたクルミ 340g
・バニラエッセンス 少々
【つくり方】

(1) あらかじめオーブンを150℃に余熱しておく。
(2) 砂糖と小麦粉を混ぜておく。
(3) チョコレートとバターを湯せんで溶かしたものに、(2)を混ぜて4、5分置く。さらに卵を加えて混ぜる。
(4) (3)を22cm×30cmの型に流し入れて、クルミを上にまいてから、軽く押す。
(5) オーブンで30~40分焼く。ふちがカリッとしてきて、1cm弱の高さになったらでき上がり。
※ブラウニーは、爪楊枝などで刺してみて、中がまだ少しベタッとやわらかいのが正しい焼き上がりです。

さらにブラウニーが温かいうちに、アプリコットグレーズを塗ると本格的に。
アプリコットグレーズは、水1カップ、アプリコットのジャム1カップ、ゼラチンティースプーン1杯を小鍋に入れて2分ほど温めて溶かしたものです。

ブラウニーが温かいうちに、アプリコットグレーズを塗ると本格的に

ヒルトンホテルは、1919年5月31日にアメリカのテキサス州で、コンラッド・ヒルトンがホテルを購入したのが始まり。今年は創業からちょうど100年です。

100年の歴史のなかで、ブラウニー以外にも、エッグベネディクト、サウザンアイランドドレッシング、マティーニなど、世界じゅうでポピュラーなレシピを生み出してきました。

ヒルトン東京では、現在100周年ブラウニー(850円+税)が販売中。デザート&ディナービュッフェで味わうこともできます。

また日本のヒルトンの公式サイトでは、ヒルトン100年の歴史や、100周年メニューのレシピ、100周年企画などが多数掲載されています。名門ホテルの歴史に触れてみてはいかがでしょうか?

<取材・撮影・文/小野アムスデン道子>