年齢を重ねるたびに、自分の中の価値観も変化していくものです。50代60代の女性の生き方に関する著者を持つ、トップブロガーの60歳・中道あんさんは、人生後半戦を充実させていくために、考え方をアップデートしたと言います。そんな中道さんの考え方を紹介します。
すべての画像を見る(全2枚)嫌なことを無理にがんばることから卒業する
働いている人ならだれしも、「仕事は一生懸命やるものだ!」と考え、ずっと走り続けてきたと思います。「嫌なことがあっても仕事だから仕方がない」「しんどくて当たり前」「どこで働いても、どこも同じようなものだ」などと思う人も多いかもしれません。
45歳のとき、ブラック企業で働いた経験があり、「私なんかを雇ってくれるのだから、我慢しなきゃ」なんて思い耐えていました。すぐに辞める人が続出の職場で、辞めていく人に対して「根性がない」とすら思っていたのです。いまなら、その考えは間違いであるとはっきり言えます。
私は、起業した時に、今までのような考え方を捨てようと思いました。どうせ、イチから始めるのなら、「それまでと違う働き方をしよう」と決心したのです。自分がちょっとでも「嫌だな」「やりたくない」と思うことにはなるべく手を出さず、「楽しい」「おもしろい」と思うことを率先してやっていく。すると、仕事に夢中になってしまったのです。
これまで、自分を支えてきたものが、これからも自分の支えになるとは限りません。50代というのは、いったん立ち止まって、走り方を改める時期だと思います。
小さな感動を味わう時間をつくるようにする
春になると、家の花壇の勝手に草花が生えてきます。それをつんで花瓶に挿して飾るのを楽しみにしています。毎年、同じ場所に咲かせる紫の花。名前は知らないけれど、今年も出合えたことに感動します。
みなさんは暮らしの中に小さな感動がどれくらいありますか?
たとえば、朝目が覚めたら目の前の愛犬の寝顔に癒された、一日に何度も「ぞろ目」のナンバープレートを見た、適当につくった料理がおいしかった…というような小さなことに「感動」できる人でありたいと思います。そうすれば、人生のちょっとした瞬間も楽しめるようになります。落ち込んだり、悩んだりする日もあるけれど、そんな日でも、なにかひとつでも楽しんでいるだけで、よりよい人生を送れると思うのです。
日常にあれこれ詰めすぎると、周りが見れなくなるのでゆとりはなくなります。気持ちが張り詰めた糸のようでは笑顔すら失ってしまいます。それでは「感動」を感じる余裕はありません。日常には余白をつくり、心身を休ませる時間をつくることが大切だと思います。
私は、焦る気持ちが出てきたら10数えながら、ゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせます。このように意識的に暮らしに余裕をつくるようにしています。朝起きたら、今日はどんな楽しいことをしよう。寝る前には、今日楽しかったことを振り返る。その繰り返しが感動体質をつくっていくと思っています。