お金がないことに嘆くのではなく、喜びへ昇華させる

食事をする女性
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でも、自分の持ち物の中から飾るものを探すなんて、ずいぶんケチなことだと思うかもしれません。たしかに、私は幸か不幸か幼い頃から倹約家の貯金好きです。預金は、安心して暮らすためには心強いものでしょう。

とはいえ、貯金好きなのに、金額を細かく計算することはありません。場合によっては、通帳で金額を確認したとしても、翌日には忘れてしまうほど数字に弱いのです。どうにも、どんぶり勘定で気分だけ安心させてしまうところがあります。それでも定期預金が満期になったりすると、もう大変! 舞い上がってしまい、急激にお金持ちになった気がしてしまうのです。満期がきたとて倍になって戻るわけではないのに、ひどい勘違いによる浮き立つ思いを、むしろ生きる喜びにしているところもあります。

人と比べず、自分なりの生き方があると思えばいい

コレクション
昔行った旅先で見つけてきた小石や小枝も飾っています。入れ物を工夫するだけでも豊かな気持ちに

長年、私は「一日1000円暮らし」でした。財布から、一日に1000円札一枚きりと決めて、食費に当てます。生活用品も買いたいところですが、食べることが優先ですので、ほかはよほどのことがない限り後回しです。

しかし現状を明かせば、家賃や光熱費や特別な医療費などは1000円を超えてしまうことも多く、この物価高ですから、今や1000円の旗印を掲げているだけで、実際は大いなる赤字なのです。「ああ…あと何年生きるのかしら」と他人事のようにつぶやきながらも、預金が満額になったときには、喜びを十二分味わうために、長年かなわなかった旅行などをしてみることで、自分を鼓舞しています。

また、年齢を重ねてもの忘れた昨今の対処のため、金融機関を一か所にしています。単にA銀行とB銀行の預金を、C銀行へと移しただけなのに、まとめ先のC銀行の預金が増えたような錯覚をうまく利用して、自分を奮い立たせていたりします。もちろん、「ごまかし」に過ぎないですが、預金高の少なさに萎えてしまうことだけは避けたいと思っています。

私は65歳まで働いてきましたが、『ワタシ・ギャラリー』の展示を楽しむように、好きなことだけをする老後がしたかったのです。私にとって、大事なのは貧しさを辛さにしない事です。それには、他人の生活と比べないことが肝心です。自分には自分なりの「簡素な」生き方がある! と思うことなのだと思っています。

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