日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「あんなかまってちゃんな男だとは思わなかった」と話すのは主婦の亜希さん(仮名・40代)です。運命を感じた王子様のような夫でしたが、産後にレスになってから、関係性が一気に悪化。DVとモラハラの末、2年の別居を経て離婚。不誠実な夫に振り回され続けた日々を振り返っていただきました。
すべての画像を見る(全5枚)ピリついた空気を察した3歳の子どもが…
妊娠中の行為を断ったところ、夫婦関係がこじれたという亜希さん。夫は暴力やモラハラがエスカレートしていきました。それでも、子どものために歯を食いしばって、ひたすら耐えていましたが、子どもが3歳になるくらいで別居することに。
「私の中では、仕事とお金の目途が付き次第、夫と離れたいと思っていたんですが、当初の予定よりも別居はずっと早まったんです。その理由は子どもの様子に異変があったから。おしゃべりをしだしてかわいい盛りの息子が、私と夫が同じ部屋にいると、ピリついた空気を感じ取って気を使うんです。私と夫の会話が少ないせいか、一人で一生懸命にしゃべる。その様子を見ていたら、二人とも切なくなっちゃって、『これ以上一緒にいないほうがいいね』っていう結論にいたり、夫がこの家を出ていくことになりました」と亜希さん。
すでに息子さんの幼稚園入園が決まっているタイミングだったので、なるべく生活環境を変えないようにという配慮もあったそう。夫は職場の近くに小さいマンションを借りて、離婚に向けて完全別居をすることになりました。
精神的に追い詰められていった妻
そして別居の時期が早まった理由は、亜希さん自身の体に不調が出始めたことも大きく影響したといいます。
「私自身は、柔術を学んでいたこともあって、夫に殴られてもやり返せばいつでも倒せるって思っていたし、怖くありませんでした」と亜希さん。
「ただ、息子にパパに暴力を振るわれているママの姿は見せたくなかったんです。その逆も同じ。私がやり返す姿も見せたくありません。とにかく息子のメンタルへの影響を最小に抑えねばっていうことばかりに注力していたら、私自身のメンタルがおかしくなり始めました」
急にドキドキして動けなくなって涙が出てきたり、ふらついて気を失いそうになったりという症状が出始めた亜希さん。
「そんな大事になる前に対処できたからよかったのですが、この状態じゃ息子を育てられなくなるという焦りも感じました」
正式に離婚できるまでに2年かかった…
幸い、亜希さんの不調は夫が別居してすぐに落ち着いたそう。
「結局、夫とレスが解消することはありませんでしたし、話し合いもできないままでした。思い起こせば、元カレのときは、私がしたい側の人だと思って別れたんですよね。なのに、結婚して出産したら、私はしたくない側の人になった。妊娠や出産が原因という単純な話ではなく、夫ともう少し冷静な時間をもつことができれば結果が変わっていたのかもと感じます。けれど、これ以上の我慢は私には無理だった。後悔はありません」
その後、お互い弁護士などは立てず、直接連絡を取り合いながら協議を続けて、2年後、正式に離婚が成立しました。
「慰謝料はなしで、養育費は月20万。これも夫の年収からみた妥当な金額を無料の弁護士相談に行くなどして調べ、公正証書にしました。家は夫名義で買った持ち家だったのですが、引き続き私と息子が住み続けることで合意。当時は、息子の希望で飼い始めた犬もいたので、夫なしでもにぎやかな毎日。以前勤めていた会社に事情を話したら、時短勤務で雇ってくれることになって、私なりにうまく再スタートがきれたと思います」と亜希さん。
夫は息子と月に2回、休日に予定を決めて会えるようにもしたといいます。これで一件落着、円満離婚かと思いきや、夫名義で買った持ち家に住み続けるという部分の約束が、なんとたったの3か月後あっけなく反故にされてしまうのです。