日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「あんなかまってちゃんな男だとは思わなかった」と話すのは主婦の亜希さん(仮名・40代)です。運命を感じた王子様のような夫でしたが、キラキラした恋人時代の終焉とともに、平凡な日常生活の中では粗が目立っていきました。レスになってから、関係性が一気に悪化。その経緯について詳しく伺いました。

◆前回のお話はこちら!

離婚の原因はセックスレスじゃない。第二の人生は自分へのご褒美:幸恵さんの場合6
スキー
スキー場で出会った夫は輝いて見えたが…※写真はイメージです
すべての画像を見る(全4枚)

なにもかも忘れよう!ひとり旅で人生をリセット

新潟県にある某温泉地。冬はスキーやスノボ客でにぎわうこの町に、亜希さんが訪れたのは14年前。当時の心境から語っていただきました。

「結婚を前提に2年くらいつき合って同棲していた彼氏と別れたんです。向こうが性欲ない人で結婚前から完全レスになり、将来の子どものこととか結婚後の生活を想像したら、無理だなって思って別れを決意したんです。でもやっぱり引きずって、傷心旅行のつもりで会社を一週間休み、この町へスキー旅行に来たのが始まりでした」

スキーヤー専用のゲレンデを構える有名なリゾートホテルの部屋を1週間押さえて、1人でスキーを滑りまくり、温泉に入ってなにもかもを忘れよう! と人生のリセットに踏みきった亜希さんに、新しい出会いはすぐ訪れました。

なぜか毎回同じリフトに乗ってくる男

ラーメン
※写真はイメージです

「リフトも何本かあるような大きいスキー場で、何本か滑っていたんですけれど、3~4本目くらいにリフトを降りたとき、毎回同じ人が後ろついてくるなって気がついたんです。向こうはゴーグルしているから顔はよくわからなかったのですが、ゲレンデに併設の山小屋でラーメンを食べていたら、その人も横のテーブルで、1人で食べていたんです。それでよく見たら年齢も近そうだし、格好よくて見とれちゃって」と亜希さん。

「そしたら、『あ!』って感じで目が合って『今日は何日目なんですか?』っていう会話が最初でした」。じつは世界的な大会にも出場するプロレベルのこの男性、1人で上級者コースへ向かうリフトに乗り込む亜希さんが心配で、離れて滑りながら見守っていたそう。「ずっと尾行されている気分だった」と話す亜希さんに「それは申し訳なかったです」と顔を真っ赤にして謝ってきたといいます。

そしてこの人こそが、3か月後に同棲し、のちに結婚することになる運命の相手でした。驚いて「そんなトントン拍子すぎる出会いってありますか?」と聞くと「だれかの紹介とか、職場で出会ったとかじゃないから、デートを重ねる必要もなく、すぐに『そのままつき合う?』って話になりました」と亜希さん。

「ゲレンデの上だし、メモもない。『メアドを言うから暗記してね。暗記に成功したら連絡ちょうだい』って言ったら、本当に覚えてくれて、スキーのあとちゃんとメールが来て連絡を取り合うようになったんです」

レスが原因で直前の彼氏と別れた亜希さんには、彼の旺盛なところもすごく魅力に感じました。

ドラマみたいな本当の話!格好いい彼氏の正体

オフィス
※写真はイメージです

2人が運命を感じる偶然はまだまだ続きます。なんと職場が同じビルだったのです。
「フロアも違うから乗るエレベーターも違う。同じビルと言っても、会社が違うと交流もないし、新潟で出会わなければ一生接点がなかったかも。東京に戻ってからは、平日も一緒にランチに行ったり、仕事帰りに飲みに行ったりしました。エントランスで待ち合わせができるからとてもラク。こんなに生活環境が近い人はなかなかいない。運命だと思いましたね」

ゲレンデでは職業を聞いても「会社員」というだけで、職種なども濁していたのですが、じつは新進気鋭のベンチャー企業の取締役だった夫。名前をネットで検索するとテレビのビジネス番組に出演していたり、新聞の取材を受けている記事がたくさん出てきました。

結婚が決まり、寿退社をした亜希さんを、職場の同僚たちは「すごい玉の輿に乗ったね!」と華々しく送り出してくれました。しかし…。