日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「私は妻ではなく、お母さんになっちゃったんです」と振り返るのは主婦の幸恵さん(仮名・49歳)です。夫が単身赴任先で行方不明に。上京した妻を待っていた驚愕の事態とは? 詳しく伺いました。

◆前回のお話はこちら!

「夫がいないほうがいい」と気がついてしまった夜:セックスレス・幸恵さんの場合3
単身赴任
単身赴任中の夫が行方不明に…
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「もはや愛情はない」首の皮一枚で繋がっていた夫婦関係

夫から、経済的にも生活面でも寄りかかられる生活に疲れ果ててしまった幸恵さん。離婚を考えつつも、娘が成人するまでは現状維持をすることを決心。割りきった暮らしをしていた矢先に夫の単身赴任が始まりました。しかし夫は初めての一人暮らしに慣れず、仕事もうまくいかず、いつも愚痴ばかり。

「因果応報じゃないですけれど、私がワンオペで病気もして苦しいときになにもしてくれなかったのに、なんで自分だけ助けてもらおうとするのか…。ちょっとそこらへんの感覚も理解できませんでした」という幸恵さん。

家族なので完全にギブ&テイクの関係とまではいかずとも、やはりここまで依存されると苦しいだろうなと容易に想像できます。もはや愛情は消え、完全に娘のためだけに夫婦関係を維持していたある日、事件が起こりました。夫の単身赴任生活から丸1年が過ぎた頃でした。

夫の勤務先から電話「ご本人と連絡が取れません」

夫が心配

それは、幸恵さんがそろそろ退社しようかと帰宅の準備をしていた夕暮れにかかってきた電話でした。

「知らない番号からの着信で、1回目はスルーしたんですけれど、その後も鳴り続けているからおかしいな? と思って出てみたら、夫の職場の人の焦った声が聞こえました。夫が社有車で出かけたまま連絡が取れないとか、家にも行ったけれど不在で、自転車はあるけれど壊れていると…。そんな感じの内容をまくし立てられて、あ、これはただ事ではないなと感じ、すぐに娘を連れて夫の住む東京へ向かうことにしました」

新幹線のなかで、夫の職場の人と連絡を取り合いながら、都内に住んでいた自分の兄や夫の両親にも状況を連絡。「つらい、しんどい」を連日こぼしていた夫の声を思い出し、幸恵さんは最悪の事態も覚悟したといいます。