●おせちを食べる姿に思わず感心

犬
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運ぶのが目的だったのか柿への興味はせわしなく失われ、つぎは犬用のおせちに釘づけになっていた。犬は好物からどんどん食べていく。お肉、サツマイモ、お魚…まばたきをしている間になくなっていく。

犬

てっきり犬は雑魚(じゃこ)を残すと思っていた。昔、雑魚の干物のおやつを買ってきたが食べなかったのだ。しかし予想に反して「いつの話しとんねん」と言わんばかりにペロリとたいらげたのでたいそう驚いた。

「あなたいろいろ食べれるようになってるやん」と感心した!

犬

ニンジンも半分は食べて、

黒豆と犬

黒豆も食べきったのだ! ここは拍手が起きるところです。

犬は腹を満たすと庭でごろんと横になった。そばに腰掛けて本を読もうとしたが、二頁も読み進めないうちに本を閉じた。犬が静かに足元までやってきて、私の足の甲におしりをつけて座ったのだ。この背中を前に読書を続けられますか?

犬

撫でていたらふたたび横に寝転んだ。おせちでおなか重いんかな。ずっと寝転んでいたかったのにわざわざ起きて私の元にきてくれたのか。なんて健気な甘えんぼうか…。私も犬のとなりに横たわって、長閑な空気のなかで漂っていた。