日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「略奪婚と言われれば、そうなのかも」と話すのは、紀子さん(仮名・40歳)。結婚前からややこしい状況だったという夫とのなれそめからお話していただきました。

◆前回のお話はこちら!

「久しぶりにしませんか?」夫からのLINEに絶句:40代のセックスレス・沙織さんの場合5

「まさか…」結婚を真剣に考え始めた矢先に知った事実

居酒屋バイト
居酒屋バイトの彼と恋に落ちて…※写真はイメージです
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静岡県にある某メーカーで営業事務として働く紀子さん。大学を出て、新卒で入社したばかりの頃、仕事や人間関係に悩むことが多かったそう。

そんなとき心の癒しだったのは、近所の焼き鳥屋さん。始めは安くておいしいそのお店が気に入って夕飯がてら通い詰めていたものの、次第にお店でアルバイトとして働いていた20歳の男性と恋に落ちました。紀子さんより3歳年下。仕事がないときはいつも一緒にいるほどの仲よしだったといいます。

「世の中には、一途な人と浮気をする人の2種類の人がいると思ってるんです。私は自分が一途に尽くすタイプだと思っていたので、相手にも誠実さを求めていました。けれど、あっさりだまされちゃったんですよね」

一緒にいて楽しいな、ラクだなと思えた20歳の彼。なんと既婚者だったのです。それを知らされたのは、交際から半年が経過した頃。突然のカミングアウトでした。

実家暮らしアピールから一転、妻子持ちと告白

同棲
※写真はイメージです

「私は当時、会社の借り上げマンションに住んでいたんです。そこに彼が転がり込んでくる形で半同棲をしていました。着ている服の襟元がかなり汚れていることがあって、専用の洗剤を買ってきて洗ってあげたら『ありがとう。うちの母ちゃん、ズボラだから助かるなぁ』なんて言われて。家事をほめられるのなんて初めてだったので、うれしくて舞い上がってしまったこともありました。ちょいちょい実家暮らしアピールをしていて、まさか家庭を持っているなんて夢にも思いませんでした。それがある日急に『じつは…』って言われたんです」と紀子さん。

紀子さん自身、彼と結婚ができたらいいなと真剣に考えはじめた時期でもありました。ドライブ中に急に打ち明けられた衝撃の真実。しかも子どもまでいることを知り、即座に『別れましょう』と言って車を降りました。ところが、翌日、彼がケガをして家に帰ってきたのです。

「あの時期はジェットコースターに乗っているような気分でした…」と振り返る紀子さん。別れると言ったにも関わらず、紀子さんの家へと戻ってきた彼は耳から血を流すほどのケガ。びっくりして事情を聞くと、「妻に殴られた。妻側もずっと不倫をしていて辛かった。離婚することが決まった。ちゃんと目途を立てたから、一緒にいたい」と言われ、激しく動揺してしまったそう。

「私もそんなにすぐに気持ちのきり替えができるほど器用じゃありません。彼のことを好きな気持ちは残っていたし、離婚が決定事項であるならば、このまま一緒にいたいなと思ってしまったんです」