老後を見すえて「ものを減らして暮らしたい」と考える人が増えています。シンプルライフにまつわる著書を数多く手掛ける、ミニマリストでブロガーの筆子さん(64歳)は、現在カナダに在住。夫とふたりで、最小限のものだけで暮らしています。シンプルライフのメリットや、ものを手放すときのコツ、知らずにたまりがちで絶対に不要ものについて語っていただきました
「持たない暮らし」で本当に大切なものが見えてくる
すべての画像を見る(全3枚)「ものを減らすと、『暮らしやすくなった』と実感するはずです」と語るのはミニマリストの筆子さん。
余計なものがなくなることで毎日の掃除や片づけがラクになるのは、体力の衰えを感じる60代にとっては大きなメリット。さらに、時間に余裕ができ、気持ちにもゆとりが生まれるという効果もあるのだそう。
「減らす過程で自分にとってなにがいちばん大事なのかが見えてきます。60代は、“残り時間”を意識するときだから、本当にやりたいことをしたいですよね」
筆子さんは、ものを減らすことで、「時間と気持ちに余裕ができてやりたいことを実現」→「ストレスがなく買い物も最小限に」→「ものが増えず、心地よい暮らしを維持」という、いい循環を実現できていると言います。
「ストレスが減ると、ムダな買い物も減ります。限られた収入でやりくりする年金生活の準備にもおすすめ」
●「持たない暮らし」で日常が充実
また、「持たない暮らし」の実践で、考え方にも変化があったのだとか。
「人生でいちばん大事なのは、ものではないと気づいたんです。大量消費社会から一歩引いてものごとを考えられるようになり、『天気がいい』『ごはんがおいしい』『家族と仲よくできた』など、ささやかな喜びに敏感になり、日常に充実感を覚えられるように」
毎日を実り豊かにするために、筆子さんが捨てたものを教わりながら「持たない暮らし」に挑戦しましょう。
ものを手放すときの「3ステップ」
ものをスムーズに手放すときの3ステップをご紹介します。
●1:取りかかりやすい場所から始める
財布、バッグなど小さい場所から始めるのがおすすめ。大きい場所では、「まずは引き出し1段だけ」というように小さく区切ります。
●2:どうしても必要なものだけ残す
迷ったら、「これがないと生活できない」「毎日使っている」「次に使う予定がある」を目安に。意外に数が少ないことに気づくはず。
●3:不要なものは「捨てる」か「寄付」
使えるものを捨てるのに罪悪感がある場合は「寄付」がおすすめ。相手にとって迷惑になることもあるので、人に譲るのは慎重に。