吉山武子さん(81歳)は、大好きなスパイスカレー店を営みながら要介護の夫と2人で暮らしています。大変だと周囲から言われても、夫の介護を暮らしに中心にしていると言います。そんななかでも、吉山さんが大切にしていることを教えてもらいました。

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80代夫婦の老々介護暮らし。「体力が続く限り、ここで一緒に」

がむしゃらに進む人生。今は夫の介護に奮闘中

吉山さん
吉山武子さん
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「85歳になる夫は6年前にアルツハイマー型認知症を発症しました。現在は要介護の状態です。お医者さんにも周りの人にも『そろそろ施設に預けたら?』って言われますけど、できる限りそれはしたくない。私の手料理を食べさせてあげたい。義両親が建ててくれたこの家で、できる限り過ごさせてあげたい。ショートステイやデイサービスの皆さんや義理の妹たちに助けられながら、なんとか自宅で介護を続けています」

●夫はいちばんの理解者で人生の戦友

商家に育ち、結婚後は夫の家業の手伝いと家事、育児に奮闘。子育てが終わる頃スパイスに出会い、夫の協力のもと、その魅力を伝える仕事を始めることができました。夫はいちばんの理解者であり、人生の戦友なのです。

お店の前の写真
9年目を迎える吉山さんのお店「TAKECO 1982」の前で、義妹の佐藤美保子さん、スタッフの朋子さん、聡美さんと。

「料理の勉強に東京まで行ったこともあります。スパイスやハーブのほかにも、美しいものや料理のアイデアなど、いろんなことを吸収しては、みなさんにおすそ分けしたり、お伝えする。無我夢中だったけれど、本当に楽しくて、充実していました。今は夫の介護が暮らしの中心。そのためには私が倒れるわけにはいきません。お互いの健康が優先事項です」

若い頃に手に入れたものを大切に活かす。知識と知恵を総動員する。「今、大切なこと」のために「持っているものも知識も活かしきる」暮らしが続いています。