“スー美香”コンビの軽妙なかけ合いが魅力の大人気ポッドキャスト番組『OVER THE SUN』(TBSラジオ)。パーソナリティのジェーン・スーさん、堀井美香さんに、これからを身軽に生きていくために、不要なものの手放し方や自分自身との向き合い方について伺いました。
ジェーン・スーさん&堀井美香さんの“捨て活”事情インタビュー
年齢とともに手放せないものの多さに悩んでいる人は多いもの。
ものとの向き合い方を変えて身軽に生きるヒントを多数紹介するムック『これからは「捨てる」「手放す」でもっと身軽に!』より特別に、ジェーン・スーさんと堀井美香さんのインタビューを抜粋してご紹介。
後半では、実家の片づけ問題やもの以外で手放したこと・大切にしていることなど、人生後半をご機嫌に生きるコツを、ご自身のエピソードとともに教えてもらいました。
●「いらないけどゴミじゃない」をどれだけ捨てられるかが勝負
すべての画像を見る(全2枚)――大人世代で悩む人も多い「実家の片づけ」。おふたりはどうですか?
ジェーン・スーさん(以下スー):実家の撤収をやったときに、「いらないけどゴミじゃない」っていうものがいかに多いか気がついた。私のなかでは捨てる=ゴミだから、新品でも使わないものや思い出のものを捨てるのは罪悪感がすごかったけど、そういうものをどれだけなくせるかが勝負なんだよね。
堀井美香さん(以下堀井):母に聞いても、私にはわからないけど、取っておきたい理由があるんだよね。ものに対する気持ちが残っているのに「もう捨てよう」とも言えないし。
スー:今はいらなくなったけど、ゴミじゃない。それって思い出と結びついているからなんだろうね。あれね、すべての家に記念館があるべき。
堀井:うちなんて田舎だから、使っていない土地がいっぱいあるよ。
スー:それはもう「おかあさん記念館」をつくった方がいい。捨てるんじゃなくて「記念館に展示する」という選択肢があったら、家の中のものの8割はなくせるんじゃないかな。
●「私なんか」という考えはどんどん手放して
――もの以外でも、手放して大きな変化を感じたものはありますか?
スー:「つかめなかったこと」への未練を手放せたと感じています。私が若い頃って、まだ、結婚や出産こそが「女性の幸せ」とされていて、それをつかめない自分にコンプレックスがあったんです。今となっては、そもそも欲しくなかったと気づいた。あとは「私なんか」という考えはどんどん手放しています。今までできなかったことも興味があったら挑戦するようになりました。
堀井:私は、昨年フリーランスになったんです。会社員のときは、先々の計画もあり、先輩方がいて5年後10年後のモデルケースが見えていたけど、今は来年のことさえわからない。
スー:安定を手放したということだよね。
堀井:もう「計画とはなんぞや?」という感じ(笑)。あとは、自分から手放したわけじゃないけど、子どもが大きくなって、母親という役割から解放されたのも大きいです。もちろん、親であることには変わりないけれど、子どものことで占められる割合がぐんと少なくなった。