1階の面積に対して2階の面積が小さい「部分2階」の住宅。「1階をパブリックスペースにして、2階を個のスペースに」と使い分けた場合、当然、2階子ども部屋など個のスペース面積は限られます。そうなったとき、子どもは家でどう過ごす? 勉強道具や洋服などの収納はどうすれば? 部分2階の家に4年間暮らす日刊住まいライターが、間取りの工夫や自邸の様子を紹介します。
すべての画像を見る(全9枚)部分2階の中古住宅をリノベーションして暮らす
4年前に中古住宅を購入して、フルリノベーションした住まいに暮らす筆者。購入したのは2階の面積が小さい「部分2階」の住宅です。
この住まいは、エリアや予算などの優先したい条件を満たしていたうえに、延べ床面積も希望の条件を問題なくクリア。というわけで、部分2階であることはとくにデメリットとは思いませんでした。
1階の面積は約65㎡、それに対して2階は約30㎡とおよそ半分です。リノベーションプランは、1階にLDKと生活スペース(浴室、トイレ、収納など)、2階は就寝のためのスペース(主寝室と子ども部屋)に。それほど悩まず、スムーズに間取りを決めました。
リノベーションでは開放感のある吹き抜けを希望
リノベーションするにあたって、欠かせなかった希望は「吹き抜け」です。吹き抜けの開放感に憧れて、マンション住まいから戸建ての住宅を希望していました。そのため、多少2階が狭くなろうとも、吹き抜けを優先したプランにしたのです。
その結果、2階の1部屋分(もと和室)のスペースをつぶして吹き抜けにすることにより、もともと狭かった2階はさらに狭くなることに。
吹き抜けを優先して狭くなった2階のスペースの1つは、半オープンになった主寝室です。なおこれに加えて、ウォークインクローゼットも、寝室として使うスペース内にあります。
できれば個室にしたかった主寝室でしたが、半オープンのスペースにしたのには理由が。吹き抜けと2階の一部をつなぐことで、空間を広く感じられると思ったのです。
全体的にコンパクトなわが家。せっかくの吹き抜けを生かして、開放感を出すなら、壁をできるだけ減らした方がいい。ということで、2階の主寝室は、壁の代わりに鉄骨の手すりで、吹き抜け空間との領域を分けました。
間仕切りは一応しているものの、つながっているという、半オープンの寝室。このような間取りですから、結果的に寝室と1階もゆるやかにつながっていることになります(視覚的には、リビングからベッド周りはうまく隠れています)。