リビングに隣接して、小上がりの畳スペースをつくる間取りが人気に。家事をしたり、お昼寝したりとフレキシブルに使えるのがその理由です。しかし、小上がりにしたことで、ちょっと意外なデメリットも。日刊住まいライターが3年暮らしてみて、満足した&イマイチな点について語ります。
すべての画像を見る(全8枚)小上がりを希望するも、デメリットがあることを知る
家づくりの際、1階にLDKを計画した筆者。リビング横には、小上がりの和室スペースを希望しました。
理由は、和のデザインが魅力的なこと、加えて、小上がりにすることで床下収納が確保できるからです。
「見た目も機能性もいいから、小上がり一択しかない」。そう思った筆者でしたが、夫を通じて、ネガティブな意見もあることを知ります。
じつは、畳職人である夫。「小上がりは、段差のせいで将来上り下りが大変になる。絶対にやめた方がいい」という話を現場から持ち帰ってきたのです。長年畳に携わってきた人たちが言うのだから、説得力がすごい…。
「今は確かに、小上がりの見た目や便利な点しか見えていない。でも、数十年先のことを考えると不便なのかな?」
弱気になった筆者。夫はとくに反対しなかったものの、小上がりにするか、フラットにするかかなり迷いました。
しかし、工務店によると、小上がりをフラットにリフォームすることは難しくないとのこと。そんなわけで、当初の予定どおり、小上がりの和室がある家が建つことになったのです。
小上がりを採用してよかったこと
3年住んでみて、小上がりにしてよかったと思うことは、おもに3つあります。
1.小上がりの床下に大きな収納が取れた
こちらの写真は、引き渡しのときの様子。ご覧のように、小上がりの床下部分に、引き出し式の大きな収納が取れました。
和室には押し入れがありません。しかし、これだけ大きな引き出し収納なら、薄い布団くらいなんとかなります。
また、和室すぐ隣のリビングで使うものも、手軽にポイポイとこの中に収納できて快適。おかげで、リビングがいつもすっきりします。散らかしグセのあるズボラ人間には、ピッタリな収納となりました。
2.ベンチとしても使える。ちょっとした居場所にも
畳スペースでゴロゴロするのもよいですが、リビング一角にあるベンチとしても使えます。
わが家のリビングは、ローテーブル中心の生活。ソファもローソファなので、たとえば家事の合間に腰を落ち着けてしまうと、起き上がるのがおっくうに。
すき間時間やちょっとスマホを見たいときは、小上がりにサクッと腰掛ける方が快適。負担が圧倒的に少ないです。
加えて、来客時もよい仕事をしてくれます。長居はしないけれど、ちょっとお話したいというお客さんには、ソファーではなく、小上がりに腰掛けていただくことが多いです。もちろん、来客の人数が増えたときに、フレキシブルに対応できる点も便利。
3.寝転んだまま、テレビが見やすい&会話もしやすい
わが家は、この小上がりで眠ることも。2階に主寝室があるものの、リビングで過ごす愛犬と一緒に寝たいときや、夫婦どちらかの体調が悪いときに、利用するのです。
そんなとき、一段レベルの上がった小上がりからは、リビングのテレビが、寝ながらでもよく見えます。もしフラットだったら、テーブルやテーブルの上に置いてるものがジャマをして、テレビが見えづらかったことでしょう。
また、和室に寝転がった家族とリビングにいる家族の視線の高さが近くなるので、コミュニケーションも取りやすい気がします。