宝塚歌劇をこよなく愛するヘアメイクアップアーティストの山本浩未です。私、「TAKARAZUKA」を知って人生が変わりました! そんなTAKARAZUKAのすばらしさをみなさまにお伝えするべく、観劇の感想や、今後の公演への期待をつづります。すべては私の妄想、個人的な感想&意見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

vol.61 雪組公演 『ファントム』

雪組公演 『ファントム』
雪組公演 『ファントム』
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ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』をもとに、世界各地で上演されてきたミュージカル『ファントム』。怪人の心の葛藤を鮮明に浮かび上がらせ、悲劇の結末をよりドラマティックに描き出した、宝塚歌劇ならではのロマンティックな舞台に。常に上演希望が寄せられる人気ミュージカル。

雪組の『ファントム』感想。自分でも驚くほど涙があふれ出て・・・

劇場動員数の記録を更新したという『ファントム』。ムラ(宝塚市)での前評判があまりにもよく、期待いっぱいで観たのです。もうそれは、すごかった。ホンモノでした。なにがホンモノか、それは、ちゃんとミュージカルだったのです。

宝塚は歌劇団だから、もちろん歌がとても大事なんだけど、スターシステム制のため、歌がうまいからトップになれるというものではないし、配役を選べるわけでもない。ほぼ番手によって役が決まるのです。

演目も、ダンスが得意で歌はイマイチのトップコンビでも、ミュージカルをやることもあるし、ある意味"運"があるんです。

そのすべてがバッチリマッチしたのがこの『ファントム』。

超絶歌ウマコンビの望海風斗(のぞみ ふうと)さんと真彩希帆(まあや きほ)さん。繊細なファントムと素朴で純粋なクリスティーナがピッタリ。

そしてそして、彩風咲奈(あやかぜ さきな)さんのすばらしくすてきなキャリエール!
包容力のある演技と歌声、スラリとダンディな立ち姿。最後の銀橋でのファントムとの場面、自分でも驚くほど涙が溢れ出て、、、泣かされたーーー

シャンドン伯爵と新支配人のショレという真逆のお役の役替わりも、彩凪 翔(あやなぎ しょう)さんと朝美 絢(あさみ じゅん)さんが、それぞれの持ち味を生かした役づくりで楽しめた。

また、今作のキャストがバッチリハマったというだけでなく、演出がかなり変わったこともよかった要因。舞台セットや映像の使い方、新曲も加わり、舞台に立体感が出てよりドラマチックになってたんです。

ちなみに、私が一番好きな場面は…一幕第5場口で、エリックとクリスティーヌが「Home 私の夢が叶う場所」を楽しげに歌い合うところ。穏やかで希望と喜びにあふれた大好きな場面。

進化した宝塚の『ファントム』、劇場動員数を更新したのも納得で、そりゃ何回でも観たい! って作品でした。
もう生で観られないのがホントに残念。でも、次をまた楽しみに!

【山本浩未】 宝塚をこよなく愛する乙女系ヘアメイクアップアーティスト。「生活者としてのキレイ」をテーマに活躍中。シンプルでわかりやすい美容理論を元にメイクアップ、コラムの執筆など連載を持ち、健康的で美しく暮らすライフスタイルが、世代を超えた女性に支持されている。近著に「おとな美人を作る「メイクの基本」」(宝島社刊)「今治美肌タオル付き山本浩未のスチームON顔(おんがん)」(講談社刊)「きれいは力」(幻冬舎刊)、「美人メイク基本の「き」」(宝島刊)、「同窓会で二番目にキレイになるには…」(小学館刊)など著書多数