宝塚歌劇をこよなく愛するヘアメイクアップアーティストの山本浩未です。私、「TAKARAZUKA」を知って人生が変わりました! そんなTAKARAZUKAのすばらしさをみなさまにお伝えするべく、観劇の感想や、今後の公演への期待をつづります。すべては私の妄想、個人的な感想&意見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

vol.60 専科公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』

専科公演 『パパ・アイ・ラブ・ユー』
専科公演『パパ・アイ・ラブ・ユー』

順風満帆な人生を歩む総合病院のエリート医師デーヴィッド・モーティマーは、出世のかかった重大な記念講演のスピーチを目前にひかえていた。そこに18年前に別れた恋人が現れ、二人の間に生まれた息子が父親を訪ねてやって来ると告げる。“隠し子”の存在など寝耳に水のデーヴィッドは嘘に嘘を重ね、クリスマス直前の病院を大騒動に巻き込んでいく…。客席を笑いの渦に包み込む、抱腹絶倒、おしゃれな大人のコメディ。

観なきゃわからない、宝塚らしいお楽しみぎっしりのコメディ

いやー、楽しかった! 失礼ながらまったく期待もせずに行ったんですよ。ストーリーも大してチェックせず、翻訳劇のコメディね、ってな感じ。
なので幕が開いたらクリスマス。えっ、今2月なんですけど…って違和感ありあり(編集部注:観劇当日は2月)。
やっぱり…かな…。なんて思ってたら、もう楽しいの! ゲラゲラ笑っちゃった。

出演は、専科の轟 悠(とどろきゆう)さん、悠真 倫(ゆうまりん)さんと宙組の10名。
轟悠さんが行き当たりばったりの嘘を重ねていくなかで、アタフタしつつ熊本弁? を喋ったり女装したり。悠真倫さん、奥手で人のいい太っちょ役なのに、キザに決めてサマになるなぁと思ってから、ドッカンドッカン笑いが起こる! さすがベテラン男役!
前日に『カサノヴァ』を観た直後だったから、つくづくコメディって難しいんだなぁと。

場面は病院の談話室だけ、数時間の出来事をリアルタイムで進んでいくスピード感もいい。
登場人物はみな個性的なんだけど、それぞれがちゃんと演じてるから、その人となりがちゃんとわからせてるの、うまい。

そしてここでも娘役さんがよかった。愛白(あいしろ)もあちゃんの弾けっぷり、遥羽(はるは)ららちゃんのエレガントな姿と声と演技の美しさ。男役・星月梨旺(ほしづきりお)さんのゴッツイ婦長さん。
天瀬(あませ)はつひさんは下級生ながら、ポタポタ焼きのお婆ちゃんがハマってた。

そして終わったかと思わせて、最後にクリスマスパーティー仕立てのフィナーレが!!! 役そのままでキザにふるまったりエレガントに踊ったり。宝塚らしい見せ場がちゃんとあってとっても楽しい、大満足!!

ホント、シリアスからオペラ、落語、ミュージカルなど、なんでもありの宝塚。観なきゃわかんないのが宝塚。だからやっぱり全部観るっ!

【山本浩未】 宝塚をこよなく愛する乙女系ヘアメイクアップアーティスト。「生活者としてのキレイ」をテーマに活躍中。シンプルでわかりやすい美容理論を元にメイクアップ、コラムの執筆など連載を持ち、健康的で美しく暮らすライフスタイルが、世代を超えた女性に支持されている。近著に「おとな美人を作る「メイクの基本」」(宝島社刊)「今治美肌タオル付き山本浩未のスチームON顔(おんがん)」(講談社刊)「きれいは力」(幻冬舎刊)、「美人メイク基本の「き」」(宝島刊)、「同窓会で二番目にキレイになるには…」(小学館刊)など著書多数