●トレンドに敏感な夫世代。「家事ができる若い世代」を起爆剤に!

上田さん
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――また、これから定年を迎える夫世代との「家事シェア」についても、「50代半ば以上の夫婦は、新たな工夫がいるかもしれません」という意見が。

上田さん:30代ぐらいの若い世代の方々からしたら驚かれてしまいそうですが、50代半ば以降の男性は、『家事は妻がやって当たり前』、『仕事はしてもいいけど、その分、家事もちゃんとするよね』と、ナチュラルに思っている人たちなんです。ただしこれから先は、妻の方が先に倒れたり、親の介護で自宅を留守にするなどの問題も出てくる年齢に。“ぜ~んぶ妻まかせ”は、お互いにマズいですよね。人として基本的な家事は、できるようになっていたほうが望ましいと思うんです。

――「家事をしない定年前後の夫」を動かすには、「こうしたらいい」というアイデアも!

上田さん:この世代は、トレンドに敏感な人たちが多いです。バブル期はディスコやスキーに出かけ、車も流行りものを乗り、キャンプやランニングが流行ったら真っ先に乗っかっていた人たち。そんな彼らは、家事や料理が大好きな今どきの20代~30代の男性陣を見て、薄々と「……オレ、遅れてる?!」と感じているはずなんです。だからその辺りを刺激し、トレンドに乗るきっかけをつくってあげる。今の若い人たちのライフスタイルってすてきよね~。私たちも、時代遅れのガンコ爺とワガママ婆にはなりたくないわよね、って(笑)。

うちも、息子達がコロナ禍や1人暮らしをきっかけに、料理や家事にどんどん親しむようになったのを見て、夫が「俺も朝食をつくる」と言い始め、今に至っています。たまには「私がやるよ」と言うのですが、「ルーティンとして続けたい」と黙々とつくっていて…。決めたことはコツコツとやるタイプだったのね、もっと早くからお願いしておけばよかった、なんて新たな気づきもありました(笑)

上田さんの夫
毎日朝食をつくるようになったという上田さんの夫/『今さら、再びの夫婦二人暮らし』(オレンジページ)より 撮影:鈴木康史

――重い腰を上げて(?)、家事や料理を始めた夫たちには、こういう態度で接しているとも。

上田さん:ほめすぎると、『今までの自分は、やってもらって当たり前だと思っていた』ことをさらに自覚させてしまいそうなので、大げさに賞賛はしません。ただ、ご飯がおいしかったら素直に言い、ありがとうと感謝を伝えるぐらい。失敗を咎めたりもしないですね。これは息子と夫、どちらにも同じ態度を貫いていますが、上手くできていないのは、自分がいちばん分かっているはずだから(笑)。少しずつ、その人らしいやり方で料理や家事に楽しさを見出してくれればいいと思っています。

●お互いの“最新”を伝え合って尊重しながら生活するのが、大人の夫婦二人暮らし

本

――またこれから先、長く暮らしを共にするパートナーとして、お互いのトリセツを伝え合うのも重要と言います。

上田さん:数年前に夫婦のトリセツ的な本が流行りましたよね。あのアイデアを、自分たちの夫婦バージョンにアレンジしたらいいかなと思います。人それぞれ、パートナーに大事にしてほしいこと、見守っておいてほしいこと、一緒にやりたいことなどは違うと思うので、“私はこういう人間です”というのを、一度棚卸しし、ともに暮らす相手に伝えておきたいですね。

「機嫌が悪くなったらケーキが食べたいです!」「前はここのケーキだったけど、最近はこのお店のケーキが好きです」とかね(笑)。そうやってお互いの“最新”を伝えながら、相手を尊重して生活するのが、大人の夫婦2人暮らしなのかもしれません。

住み替え、荷物の整理、生活スタイルの見直しなど、子どもが巣立って改めて考えた、夫との2人暮らしについてつづった『今さら、再びの夫婦二人暮らし』(オレンジページ)。上田さんの提案に対し、夫、息子さん2人からのコメントも。子育て卒業後の家族の在り方についての参考になる1冊です。

今さら、再びの夫婦二人暮らし

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