●困っていることを隠さずに、プロに頼った

――業者に70万円お支払いしたと漫画でも描かれていましたが、金額を見てどう感じましたか?

西園:最初に相見積もりを取っていたので、そこまで「高っ!」って驚いた記憶はないです。まぁ高額ではありますよね…。でも、介護の必要性もあったので、自分たちでコツコツやるとその間は介護ができない。だから自力でやるっていう選択肢は初めからなかったです。

――業者選定はどのようにされたのでしょうか?

西園:自分でもネットで検索しつつ、そのときにお世話になっていたケアマネージャーさんに2~3か所教えてもらいました。そこで相見積もりを取って、最終的な業者を選んだと思います。もうこのケアマネージャーさんがいなかったら完全につんでました。

第4話より
第4話より
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ちなみにケアマネージャーさんは、公営の地域包括支援センターに相談して、ご紹介いただいた民間の事業所の方です。もう選んでいる余裕もなかったので、役所にもケアマネージャーさんにもなにも隠さず「本当に困ってます!!」というのを全面に話しました。

――大変な出来事で「救世主」と出会われたのは大きいですね。このゴミ屋敷の清掃から学んだことがあれば教えてください。

西園:とにかくプロの手を借りることを学びました。恥ずかしさや、もちろん金銭的な事情もあると思いますけど、できるだけお金で解決できることはした方がいいと感じましたし、自分の力だけでやってたら、精神的にもやられていたと思います。

やっぱりプロの手を借りても大変なんですよ! でも、だいたい説明すれば、思っている以上のパワーで助けてくださることが多くて、本当にありがたかった。私は調べ事をして、お願いしてまわっただけなので…。

――ひとりで抱えてしまうことはなかったですか?

西園:相談や愚痴は、母、もしくはケアマネージャーさんや業者の方にしていました。もともとの性格もあってか、そんなに隠そうともしてなかったですし、友達にも詳細は話さなくとも大変でさ~くらいには言ってたかも。

私の経験上ですが、クローズドにすればするほど自分が追い込まれるんですよね。もちろん、相手や場所は選ぶべきだけど、話づらいことこそひとりで抱え込まずオープンにした方がいい。本当に困ってるときに、世間体をそこまで気にしても仕方ないし、正直に話して助けを借りることは大切だと思ってます。

漫画を読んでくださった方からも「じつは私も…」と話しかけていただくこともあったりして、潜在的に困ってる方は多いのかなと思います。誰にも言えずに悩んでたけど、似たような経験をした人がいるんだってホッとして話してくれる方も多いので、ぜひ抱え込まないでほしいですね。