「回遊性のある間取り」にすれば、実際の面積以上に広く感じられ閉塞感がなくなります。また、行き止まりがないので動線もスムーズに。10年前に約65㎡の中古マンションを購入し、回遊性のある間取りにリノベーションした日刊住まいライターも、家族の気配が感じられ、家事の時短にもつながるなど、メリットの多い間取りだと感じています。ただ、コロナ禍で気づいた、思わぬ盲点も…。
すべての画像を見る(全10枚)マンションリノベで閉塞感なし、回遊性のある間取りに
筆者は現在、夫婦ふたりに子ども3人(長女16歳・長男11歳・二男6歳)の5人家族です。二男が生まれる前、約10年前に約65㎡の中古マンションを購入し、フルリノベーションを行いました。
フルリノベだから、間取り設計は自由。当時よく読んでいたリノベーション雑誌にも、子どもたちが楽しそうに遊び回る事例や、家事動線を工夫した事例が掲載されており、筆者にとって「回遊性のある間取り」は憧れだったのです。
多方向からのアクセスが可能で、ぐるぐると回れるような間取り。「小さな子どもを持つ筆者家族にフィットしそう」「約65㎡のコンパクトなマンションでも、開放感がつくりやすいそう」…。こんなことに期待して、取り入れてみることにしました。
実際の間取り図がこちらです。
写真は、リビングダイニング側から玄関を見たところです。玄関ドアの右手にはリークローゼットがあります。
玄関を入ってそのままLDKに行くのが表動線だとすると、このファミリークローゼット側の通路は裏動線。こちらを通ってリビングダイニングに行くこともできます。
子ども部屋を囲った仕切りのほかにドアなどはなく、リビングから子ども部屋を通ってファミリークローゼットに行くことも可能。ベランダ側の窓はリビング側にも、子ども部屋側にもあるため、どちらの窓からも出入りできます(上の図面参照)。
子どもも楽しい!洗濯の家事動線も2パターン!
実際に回遊性のある間取りにしてみて、いちばん喜んだのは子どもかもしれません。家の中をぐるぐる動けるので、自由に遊べます。
とくに子どもたちが小さなころは、こちらの通路を通り抜け自由に行き来しながら、楽しく遊んでいました。
「玄関→クローゼット→子ども部屋」「玄関→リビングダイニング→子ども部屋」と2パターンの動線で子ども部屋に行けるため、お友だちが来たときはそのまま子ども部屋へ直行することもできます。外から帰って、すぐにクローゼットに上着をかけに行ける動線もうれしい!
また、リノベ当初はあまりイメージできていませんでしたが、洗濯に関する家事動線にも便利でした。ベランダの子ども部屋側のはき出し窓を使えば、リビングを通らすに「ベランダ→クローゼット」の動線がかないます。取り込んだ洗濯物を直接クローゼットに。
クローゼット内でたたんだら、そのままハンガーバーや衣装ケースに収納することができます。
また、ベランダから直接リビングに入ることもできます。子どもたちと一緒にリビングで洗濯物をたたむときなどは、こちらの動線を使用することも。
急な雨でいったん部屋干しするときにも、ベランダから洗濯干しスタンドごと取り込んで、一時避難させることがあります。開放感があって、常に家族の気配を感じられ、フレキシブルに動ける点は、回遊性のある間取りのメリットだと感じています。