家のなかが散らかっていても、最低限「ここだけは片づけなければ!」という場所があります。
「それは、『リビングの中心から、玄関へ続く導線』。地震や災害で逃げ遅れないために、ここだけは普段から片づけておくようにしましょう」と語るのは、「ものが少ない暮らし」を提唱するミニマリストの本多メグさん。
詳しく語っていただきました。
大掃除は防災&すっきりを意識して、リビングから玄関までを整理整頓
リビングの中心から、玄関へ続く導線。ここが散らかっていると非常時にスムーズに逃げられません。
大事な家族に何かあっては大変! リビングから玄関前をすっきりさせるべく、今日からがんばってみませんか?
●玄関に物を置かない
非常時には避難経路を確保するために、まず玄関のドアをあけるように言われています。
そのとき、傘立てが倒れて何本もの傘がバラバラに落ちたり、花ビンが落ちて破片が散乱したりと、ものがジャマになる可能性があります。常に玄関はすっきりさせ、落ちて割れるようなものはなるべく置かないようにしましょう。
傘は倒れないように収納し、靴のお手入れグッズ、玄関掃除用品なども出しっぱなしにせず、フックにかけたり収納して外に飛び出ないように備えます。アイテム数を減らす機会にしてもいいですね。
たとえば傘は一人2本まで、と決めてしまうのもよいかもしれません。100円のビニール傘が多い方は、もったいないですがこの機会に処分を。
玄関にお花を飾るご家庭も多いと思いますが、たとえば、ドライフラワーや造花にすれば、軽くてケガの危険が減ります。
ヌイグルミや布製品などの飾りものは、軽くて小さめのものを検討されるとよいでしょう。また、壁に写真やポストカードを飾る方法もあります。
また、そもそも出してある靴が多い場合、玄関に出しておくのは1人一足まで、と家族でルールを決めるのも効果的です。
●廊下にものを置かない
玄関がきれいになったら、次は廊下です。古新聞や雑誌、段ボール、健康グッズ、飲み物類、トイレットペーパーや日用品の買い置きなどの保管場所になっていませんか?
災害時に避難するとき、廊下に積んであるものが崩れて邪魔になって逃げ遅れたら大変ですね。なので、廊下には床置きをしないと決めましょう。
廊下に面した収納スペースががあれば、そこに納めてください。古新聞や段ボールは資源回収の日を忘れないようにチェックして、必ず出すようにしたいものです。
また、かき氷機や5月人形など使う季節が限られているものは、使わないシーズンは手の届かない上のスペースや押し入れの奥に入れて、デッドスペースを活用していきましょう。
廊下に面した収納スペースがなければ、ほかの部屋の収納など、専用スペースを決めます。飲み物はキッチンの奥、日用品など軽いものはリビングの上の方の戸棚に保管するなど。とにかく廊下以外に定位置を決めるよう、家族で話し合うようにしたいですね。
家族で相談して「みんなで防災のために、ここに置こうね!」と声をかけあって進めましょう。
そうすると、もしだれかが居ないときに災害が起こっても、家族それぞれが対応できるメリットがあります。
●リビングは常に人が通れるスペースを確保
最後にリビングです。割れ物は、必ず扉のついた場所に収納しましょう。テーブルの上にコップを出しっぱなしにして、夜中に地震が来たら危険です。寝る前はキッチンに運ぶことを徹底するとよいですね。
割れ物や重いものの配置を考えるときに、まず持ち物の見直しを検討してみてはどうでしょう。きっかけがないと、壊れていない家族共有のものを処分するのは難しいもの。
貴重な機会と考え、数が多すぎるグラスや、なんとなく飾ってある置物など、災害対策の意識で家の中を見直すことができます。
もちろん、家族に反対する人がいたら、無理せず安全な場所に置いて使い続けてOK。
また、リビング内をスムーズに人が移動できるように、家具と家具の間は常に歩けるスペースをキープしましょう。
逃げるときにテーブルがジャマになって時間がかかってしまったり、床の上に起きっぱなしの洗濯物やバッグにつまづいた…なんてことにならないように。
リビング内のスペースを確保するには、廊下と同じで床置きを減らすことです。収納スペースに収納して床に置くものを減らし、歩く場所をいつも確保しておきます。
コートや帽子などは、壁にフックを取りつけると場所もとらず使いやすいですね。バッグ類は壁にかけたり、またはカゴにひとまとめにして歩くジャマにならない場所に置いてもよいでしょう。
以上、3つの片づけポイントを説明しました。次の災害がいつ来るかわかりません。地震以外にも、火災や水害のときでも、逃げ道の確保は大事です。
家族みんなで動きやすい家をキープするように話し、安心して、そして部屋もすっきりした状態で新しい年を迎えたいものですね。