日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。子どもを望んでいたにも関わらず、セックスレスに陥り、不妊治療へ進むこともできなかったという40代主婦の静香さん(仮名)を取材しました。夫婦仲は良好にも関わらず「もう諦め状態ですね」と語る背景になにがあったのでしょうか。詳しく聞いてみました。
子どもを望んでいたのに…。私が不妊治療をせずにあきらめたワケ
友だちの紹介で私たちが結婚したのは、夫も私も30代後半に差しかかってからでした。少し遅めの結婚でしたが、お互いに子どもを望んでいたこともあり、かなり早い段階から不妊治療に興味をもっていました。
●義務感が嫌だった…。排卵日を気にしながらのセックス
すべての画像を見る(全4枚)当時の私は、ライフオーガナイザーの資格を取得し、結婚を機に独立。それまではなりゆきで入った会社で事務の仕事をしていたのですが、自分の好きなこと、興味を持てることに集中し、ライフワークとして活き活きと働けることに喜びを感じていました。
セックスの頻度が減りはじめたなと感じたのは、私が独立してお客さんもついて軌道に乗りはじめた頃。
家庭も仕事も、私の中では優先順位をつけることなくどちらも大切にしながら毎日フルパワーで駆け抜けていたのですが、排卵日を気にしながらのセックスは愛よりも義務感のほうが強く、夫も私も気持ちがついて来ないような感じでした。
不妊治療を始めるなら早めに…と悩み始めた矢先、夫婦生活の回数が激減していったのです。
●激務の夫に「休みを取って」と言い出せず…
自動車ディーラーの営業マンをしていた夫は、激務で休みも不定期。私は自営業なので、旅行などへ出かけたいときは夫の休みに合わせることはできるのですが、不妊治療となると、私の体調に合わせて夫に休みを取ってもらわねばなりません。
お客さま最優先の職場環境の夫には、不妊治療のために休みを取ってとなかなかお願いしにくい状況で…。そんな中、夫の様子に異変が起きました。
●鉛のように重たい体。夫が動けなくなる
夫に現れた最初の異変は、食事を残すことでした。「歳だから食欲が落ちてきたのかな?」と悠長に考えていたのです。しかし食べる量はどんどん減ってゆき、早朝から遅い時間まで激務をこなしているなかで、「栄養やカロリーはたりているのだろうか?」と心配になりました。
そんなある日の朝、夫はついに「体が鉛のように重たい」とつぶやき、動けなくなったのです。
精神的なものじゃないかと思って病院へ連れて行くと「うつ病」と診断されました。夫はしばらく会社を休職することに。