老後に向けた家計管理の考え方や対策は家族構成や今抱えている悩みによって異なります。定年退職をひかえた世代のお金にまつわる悩みと解決策を紹介。自分に近いケースではなにができるのか、見ていきましょう。ファイナンシャルプランナー・横山光昭さんが答えます。
プロがお悩み解決!「賃貸暮らしで貯蓄も少ないケース」
すべての画像を見る(全3枚)「支出の見直し方がわからない」「賃貸暮らしだが終のすみかをどうするか不安」といった悩みを持つ50代後半の夫婦を例に、老後の家計管理をシミュレーションしてみましょう。
Q:貯蓄がものたりないが老後に向けてなにから始めるべき?
→A:老後はシニア向け賃貸住宅へ。当面は固定費を削り貯蓄を
このケースは50代夫婦の2人世帯。年収900万円、貯蓄100万円、生活費650万円、退職金800万円。夫婦ともに定期保険に入っており、賃貸暮らしなので住宅ローンはありません。
直近で大きな支出予定はないものの、貯蓄は少なく、さらに賃貸住宅のため毎月の家賃も発生します。将来、終(つい)のすみかをどうするかが当面の課題です。
高齢になると、病気や家賃滞納といったリスクから賃貸契約の更新を断られてしまう可能性も考えられます。その点、行政の認可を受けた高齢者向け賃貸住宅なら、高齢でも契約しやすく、さらに家賃補助が受けられる場合も。手すりの設置や段差をなくすなど、バリアフリー化も行われています。
リタイア後の再就職で安定した収入を確保するのも、老後資金を補てんする方法のひとつです。雇用保険には再就職後や失業中に収入が大幅に減ってしまった人を援助する制度があります。
また、生活費を見直し、家計に余裕をつくるのも忘れてはいけません。家賃や光熱費といった固定費、趣味のお金などの変動費を節約し、少額からでも貯蓄や投資を始めたいところです。