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●参考書オタクとミーハー女子のお仕事コメディ漫画『ガクサン』

ガクサン』 佐原実波/著 講談社刊 (1)~(3)

参考書出版社に中途入社した茅野うるし。憧れの出版業界に入れた喜びもつかの間、配属されたのはお客様相談係。クセが強すぎる参考書オタク・福山と2人だけの部署に最初は戸惑いつつ、奮闘していく成長ストーリー。

ガクサン(1) (モーニング KC)

ガクサン(1) (モーニング KC)

参考書出版社に中途入社した茅野うるし。そこで出会ったのはクセが強すぎる参考書オタク・福山だった。立ち読みしてばかりだったり、お客さんの中学生を泣かせたり…社会人としてはヤバすぎる福山だったが、参考書の詳しさは尋常じゃないようで…? 参考書オタク男×サブカルミーハー女凸凹(でこぼこ)お仕事コメディ!

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●参考書選びに悩んだら読んでほしい斬新コミック

学習参考書出版社『いぶき』の変わり者社員である福山は、参考書に関しての知識が半端なく「歩く資料室」と周りから揶揄されています。一方新入社員である茅野うるしは、参考書知識ゼロなのに福山の部署に配属されます。この二人による丁々発止から、具体的にどんな参考書を選んだらいいのか? 参考書とは何ぞや? など、顧客の目線で参考書が学べる斬新なコミックです。

参考書オタクが主人公という着眼点もさることながら、コミックの出版社は架空なのに出てくる参考書は学研や旺文社など実際の本を取り上げているのが面白いですね。もし読者の皆さんの周りに受験生がいて、どんな参考書が良いのか悩んでいたら是非お勧めしたいコミックです。

そう言えば高三の時、ピンクフロイドのライブの翌日に古典のテストが有り、参考書片手に観たのを思い出しました。漢文と前衛ロック、何とも不思議な体験でしたね。高校生の頃にこんなコミックがあったらなぁとしみじみ思ってしまいました。(ESSE2022年12月号より抜粋)

●Jコミックは日本の代表的な文化

今年もすばらしいコミックの出合いがありました。甲乙つけがたく自分の中ではどれも1位なのですが、あえて選ぶとしたら「ガクサン」です。

参考書という切り口が斬新なことと、誰しも学生時代に何らかの参考書エピソードをお持ちのことと思います。僕も高校の頃、参考書を買うからといって母親にお金をせびり、小遣いをたしてサンタナのアルバムを買ったホロ苦い思い出があります。

さて、今後どんなコミックに出合えるのか益々楽しみになりました。もはやJコミックは日本の代表的な文化ですからね。