子育てをがんばっているけど、ついつい怒ってしまっていつも後悔する…なんて人も多いのではないでしょうか。そんな人へ向け、「親はほめ専に徹するべきだと思います」と話すのは、日本最大級のオンラインサロン経営者で、いまもっとも注目を集める起業家・河村真木子さん。
先日上梓した初著書『超フレキシブル人生論 “当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』には、仕事や子育てなどさまざまな場面において、当たり前を手放してよりよく生きるためのヒントがつまっています。
海外の大学を卒業して外資系投資銀行で働くなど、国際社会を経験してきた彼女ならではの子育てに関する考え方は、目から鱗が落ちるものばかり。一児の母でもある河村さん流の、子どもの自己肯定感を育てる子育て術をご紹介します。
子どもは親がほめ倒す。𠮟らない方がいい理由とは
すべての画像を見る(全3枚)私は、娘を叱らずにほめ倒して育てました。「なぜ叱らないのですか?」「親が叱らないと外で恥をかくのは子ども」「しつけは厳しくしないとその子がかわいそう」など、よく言われました。本当によく言われました。
でも、私は叱ることよりもほめることで、「家庭は居心地のいい場所」と思ってもらいたかった。どんなに親に厳しく育てられている子どもでも、一歩外へ出れば近所のオジサンに怒られたり、先生に叱られたり、友達になにか言われたりするのは日常茶飯事です。外に出たら子どもは社会の「怒られ役」を一気に担うのだから、せめて家は「癒し」の場であってほしいと思ったのです。
外でいろいろなイヤな目に遭っても、家に帰ればほめてくれるママがいる。そうやって家に帰ることを楽しみにできたら、子どもは家を「安全な場所」と認識し、たっぷり充電して、また外へ冒険に出ていける。でも、家の中が戦場みたいな子どもは、充電する場所がないから、外に出てもいつも少し元気がなかったり、ビクビクしていたり、自信がない子が多いような気がします。
●思いきって「ほめ専」に徹するのはアリ
もちろん、いい感じに「しつけ」もできて、ほめるところはほめて、絶妙のタイミングでオンとオフを切り替えて、うまく子育てできたら最高かもしれません。でもよく考えてみて? あなただって完璧な人間ではないのに、うまいこと叱って、うまいことほめて…ってできそうですか??
「お部屋の片づけやろうね」とさらっと優しく言いたかったのに、忙しすぎるとつい、「ゴルァ!! 何回言ったら分かる? 片づけろって言ってるのがなんで分かんないんだよ、このクソガキが!!」…みたいになってませんか? あ、まぁ、「クソガキ」はないでしょうね(笑)。でも鬼の形相で「もうだれにも止められないママ」みたいになっている人は見たことがあります。
やばいのは、ここに「畳みかけ」までやっちゃうママ。昔のことを持ち出して、「こないだも散らかってた」、他人のパワーを借りて「パパも言ってたわよ」「先生も言ってたわよ」…。こうなってくると、もう子どもはなにも言えなくなって「崖っぷち」に立たされ、これが繰り返されると家が嫌いになっていきます。
家が嫌いな子って外でストレス発散し始めたりするから、まぁ悪循環と言えます。ちょうどいい感じに叱って、いい感じにほめて、ができない場合、思いきって「ほめ専」に徹するのはアリだと思います。叱る役は外注で(というか、外に出ればかならずだれかがその役は引き受けてくれるからご安心ください)。
●親がほめ専に徹するべきと思う、もう一つの大きな理由
親がほめ専に徹するべきと思うもう一つの大きな理由は、自己肯定感への効果です。子どもの自己肯定感は基本的に近所のおばさんでも先生でもなく、親から「もらうもの」だと思っています。子どもはいちばん近い存在の親にほめられたい、認めてもらいたい生き物です。親がほめ専に徹すると子どもの自己肯定感は自然と上がり、子どもは「自分はすごいんだ」「自分はやればできる」「自分はいい子だし優しい」と自己評価を高く持つプロセスに入っていきます。
そうすると、いざ子どもが大きくなったときに、この「自己肯定感」がボディブローのように効いてきて、その子は圧倒的な自信を背景にどんどんいろいろなことにチャレンジし始めるでしょう。
チャレンジだけはありません。自己肯定感がパワフルなのは、なにか悪いことがあってもすぐに立ち直れたり、他人を許せたりもします。基本的には「地球は、世界のよい人たちで構成されている」と思っているので、他人を怖がりません。どんどん新しい人間関係に入っていけたり、楽しそうなことにチャレンジしたりして、人生の幅を広げやすい子どもになっていきます。