LDKをひとつにした家づくりが一般的に。となると、悩ましいのは「その一室空間を、どのように3つに分けるか」という問題です。日刊住まいライターは、長方形の空間に、一列に「キッチン/ダイニング/リビング」を並べるという間取りの家を、ハウスメーカーで建てました。その理由や2年間住んで感じた使い心地、満足した点について語ります。

ひとつながりのLDK
長方形の一室空間に、手前からリビング、ダイニング、キッチンが並ぶ
すべての画像を見る(全12枚)

筆者の家のLDKは、広さ23.4畳の一室空間。その空間は長方形に近い形で、あえて、正方形にはしていません。「キッチン/ダイニング/リビング」を、長方形の長い辺に合わせて、一列に配置してます。

 

ダイニングとリビング

これは、入り口のドアから左を向いて、リビングとダイニングを見た様子。窓があるのは建物南側で、長方形の長い辺にあたります。

 

キッチンとダイニング

こちらは、同じ位置から右を向いて、キッチンを見た様子。

プランニング時に筆者が、この間取り&LDKのレイアウトを選んだのには、いくつか理由があります。以下に、説明していきましょう。

 

長方形だとLDKの配置が決めやすい

LDKの間取り図

長方形の長い辺に合わせて、一列にLDKを配置する。これは筆者にとって、とてもシンプルな間取りでした。シンプルゆえに、ダイニングテーブルやソファといった家具の位置決めにも、それほど頭を悩まさずにすみました。

 

一列に並ぶLDK

LDKを一列に並べただけだから、動線もシンプル。わが家の場合、通路幅も十分に確保できているので、複数人いても、ぶつかるストレスもなし。使いにくい、もしくはなんとなく使われなくなるデッドスペースのようなスペースもありません。

一方、正方形に近いと、LDKのゾーン分けに選択肢が増え、それぞれのバランスをとるのが、筆者にはとても難しく感じます。家具をバランスよく置くのも、悩ましい。中途半端に使いにくいスペースができてしまいそう…。

 

キッチンからの視線が届きやすい

キッチンからダイニングとリビングを見る

LDKが長方形レイアウトのわが家。筆者がキッチンに立ったときに、視線は「キッチン→ダイニング→リビング」という流れになります。これがとても快適。一室空間全体がよく見えるのです。

もちろん、床面積などが同じ条件で、正方形リビングのLDKと比べたわけではありません。しかし、一直線に「キッチン=ダイニング=リビング」並んでいると、そこにいる家族の様子が、ぱっと把握できるような気がします。

テレビを観ている家族がなぜ大笑いしているのか、また、ゲストが料理を前にしてなぜ盛り上がっているのか…。キッチンにいる筆者にも、雰囲気がよく伝わってきます。疎外感がなく、一緒の時間を楽しめます。

 

ダイニング

逆に、子どもたちの方も、キッチンで筆者がなにをしているのか気にかけてくれたり、声をかけてくれたり。やり取りが発展して「じゃあ、キッチンでこれを手伝って!」となることも。顔を見ながらコミュニケーションがしやすいです。

 

窓面をフルに生かし、開放的な印象に

窓がたくさんある南面

住友林業の「BF(ビッグフレーム)構法」で建てた筆者の家。柱が太くて、構造の支えとなる壁を減らせたので、多くの窓がつくれました。

LDK南側の壁には大開口窓が4つ。キッチンにも光が入るよう、明かり取りの細長い窓が2つ。おかげで、南側は明るくて開放感いっぱいです。わが家はLDKを長方形の間取りにしたおかげで、その恩恵を目いっぱい受けている気がします(同じ床面積のLDKを正方形でつくった場合に比べて)。

 

木目天井がダイナミックに映える

板張りの天井

わが家は、天井を板張りにしました。オークの挽板(ひきいた)なので、木ならではの質感がたっぷり。家のなかで、木に囲まれている感じがして、リラックスできます。

 

奥行き感のあるLDK

この木目天井、LDKが長方形レイアウトになったことでストロークが長くなり、迫力が出て、とても映えるのです。加えて、「キッチン→リビング(もしくはその逆)」方向に部屋を見た際には、奥行感が出てきます。

ちなみに、板張り天井の採用は、ハウスメーカーからの提案がきっかけ。木のリラックス効果を耳にして、「長く過ごすLDKは、できるだけ落ち着ける場所にしよう」と採用。クロスより費用はかかりましたが、満足しています。