ピアノがあると、家を建てるとき「どこに置くか」が大きな悩みに。リビングに置けばLDKが狭くなり、楽譜などで散らかる可能性も。3年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、リビングの横にピアノ室をプランしたところ、これが大正解。セカンド子ども室として、リビング学習もできるスペースになりました。実際の使い方を紹介。
すべての画像を見る(全7枚)新しい家ではピアノをどこに置くかがテーマに
わが家は夫と2人の娘の4人家族。3年前にハウスメーカーで家を建てました。小学3年生になる長女は、4歳からピアノを習っています。
以前の筆者の住まいは中古住宅。狭小で、ピアノを置くスペースがありませんでした。仕方なく鍵盤の少ない電子キーボードで練習していましたが、レッスンが進むにつれ次第にキーボードでは対応できない曲も出てくるように。
ちょうどその頃、家を建てることが決まり、運よく実家からもアップライトピアノを譲ってもらえることになりました。
結果、家づくりにも「ピアノ」というテーマを加えることに。どこに置くかを考えながら間取りを検討。結果的には「ピアノを置く部屋」をつくることにしました。
ピアノ室つくるときに注意した4つのポイント
ピアノを置く場所を考えるとき、注意したことがいくつかあります。それは、以下の4点です。
・温度や湿度変化が少なく、直射日光の入らない場所に置くこと
・床の補強
・長女がすぐ練習に取り組める環境にすること
・近隣へ音の配慮をすること
置く場所については、まず1階か2階かを選びます。2階はピアノの搬入が大変ですし、床の補強が必須となるため費用がかさみます。そこで筆者は1階に置くことにしました。
そのとき1階のリビングに置くことも考えましたが、リビングは家族の集まる場所。長女のピアノ練習の音でテレビの音がかき消されたり、会話がさえぎられたりする可能性があります。
また、リビング奥にはキッチンがあり、そこからの湿気も心配です。リビングは南側に面しているため、日差しが入ってくることも気がかり。
温湿度、直射日光、ほかの家族への配慮から、リビングへの設置はやめて、その横にピアノ用に独立した部屋をつくることに落ち着きました。リビングの横という配置は、長女がすぐにピアノ練習に取り組めるようにするためです。
ハウスメーカーの担当者にピアノを置く話をしたところ、1階なら床の補強は必要ないとのことでした。ピアノのためにプラスで費用がかかることはなかったです。
また、近隣への音については隣家との距離が関係してきます。ピアノを設置する部屋からいちばん近い隣家までの距離は3mほど。ハウスメーカーの担当者は「多分問題ないと思います」とのことでした。
ピアノ室は5.2畳、場所はリビング北側に決定
ピアノ室として、リビング北側に洋室をつくりました。広さは5.2畳で、さらに1畳分の壁面収納があります。アップライトピアノを置くだけなら余裕の広さ。
明り取りの窓はありますが、北側なので直射日光の心配はなし。東側の窓は隣家に面しているためカーテンすらあけません。
リビングと洋室がひとつながりになるように、3枚引き戸を設置。普段は開けっ放しにしてあります。
室内には大きめのスタッキングシェルフを設置。ここに楽譜やレッスンバッグなどを収納しているほか、リビングに収まりきらないオモチャ類なども一緒に収納しています。
また、夫が使うための予定だった、PCデスクも設置。長女が勉強するのに高さがちょうどいいので、セカンド学習デスクとしても使っています。
ひとりで集中、リビングから指導。使い分けが可能
ピアノは家の内側に響板を向けて設置。実際に長女が練習中に外で音漏れを測定してみても、家の敷地内ですら40~50db(静かなオフィスや小さな話し声程度)ほどの音量。近隣への影響はほとんどないと言ってよいでしょう。
リビングではなく隣の部屋に設置したことで、引き戸を閉めてしまえばひとりの空間となり集中して練習することが可能。リビングにいるほかの家族への影響も軽減できます。
ただ長女はまだ小学生なので、練習に筆者がつき合うことが多く、扉を開け放しておいてリビングから指導することも。
きっと年齢が上がれば、扉を閉めてひとり集中して練習するようになるでしょう。今は状況に応じて使い分けができています。
リビングのすぐ近くにピアノがあるので、親も練習を促しやすいですし、練習しやすい環境が生まれました。