物価高が続く今日この頃。食費を抑えるには「家計簿」がやはり有効です。 毎日の食費予算をオーバーしてしまっても「トータルで予算内に収まっていればOK!」というポジティブな家計簿について、家計簿歴30年という主婦・カズコさん(62歳)に聞きました。

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家計簿を30年続けているカズコさん
家計簿を30年続けているカズコさん
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専業主婦歴38年、心折れずに家計簿をつけられるコツ

東京都西東京市に住むカズコさん(62歳)は、専業主婦歴38年。派手な見た目とは裏腹に、地道に家計簿をつけてお金を管理しています。

一般的に家計簿は予算を守れないと苦しさを感じたり、自己嫌悪に陥りがちです。しかしカズコさんの家計簿への向き合い方は、どんなときもとにかくポジティブでした。

 

●家計簿は、専業主婦が自分をほめるチャンス

家計簿をつけるカズコさん。レシートの内容を、家計簿の該当項目に書き込みます。
家計簿をつけるカズコさん。レシートの内容を、家計簿の該当項目に書き込みます。

専業主婦歴38年。2人の息子が未就学児の頃から現在まで、家計簿をつけ続けるカズコさん。
買い物時にレシートを保管し、専用の家計簿ノートに内容を書き写す、とてもアナログな方法です。

家計簿をつける理由は、支出の管理だけでなく自分を整えるためでした。
「子どもが小さかった頃から、家計簿をつける時間は『今日もなんとか無事に過ごせたな。ちゃんと地に足をつけて生活をしている。私はえらいぞ』と自分をほめて励ます時間でもありました」と、カズコさん。

家計簿の捉え方はとてもポジティブです。金額を守れているときにほめるだけでなく、予算をオーバーした際の捉え方も、とてもハッピーなものでした。

 

●1日の予算をオーバーしても、数日単位で見たときにオーバーしてなければ「私えらい」

レシート。上の3つの赤い丸は主食費用と調味料費に該当。それ以外が副食物費にあたります。
レシート。上の3つの赤い丸は主食費用と調味料費に該当。それ以外が副食物費にあたります。

カズコさん宅の、食費の設定金額は1日1500円。ここには主食(米・麺・パンなど)や調味料の代金は含まず、別に設定しています。
つまりこの1500円は、おかずなどの“副食”を購入する費用です。副食物費を設定すると、食事の栄養バランスをとりやすくなり、炭水化物が多すぎる献立の回避に。

 

副食物費を意識した夕飯はとてもバランスが良い(本人撮影)
副食物費を意識した、バランスのいい夕飯(本人撮影)

しかし1日単位で予算の上限があると、毎日残額や金額オーバーしないかばかりを気にしそうです。
「超える日もありますよ。でも、昨日守れたならないいかなって」とカズコさん。
たとえば、1日に設定金額の2倍にあたる3000円を使ってしまっても、「昨日0円だったから帳尻は合ってる。だからオッケー、私えらい」と考えるのがカズコさん流です。