ものがあふれて、ごちゃつきがちなキッチン。調理ツールや食器などは形や大きさがまちまちなので、収納が難しい場所でもあります。なんとかしようと収納グッズを大量買いするなど、お金や手間をかけすぎていませんか?
じつは収納の工夫を凝らさなくても、少し捨てるだけで使い勝手は改善するのだそう。「おすすめは、たった15分で終わる“ゆる捨て”をすること。収納テクいらずでスペースに余裕が生まれ、ものの出し入れが簡単になります」と教えてくれたのは、もたない暮らしに関する著書やブログが人気の筆子さん。
“ゆる捨て”について教えていただき、実際に読者が挑戦してみました。
ものが捨てられない読者が、キッチンの15分ゆる捨てをやってみた
筆子さんが提案する“ゆる捨て”は、「毎日15分、気になる場所のいらないものを捨てていくだけ」というもの。難しいノウハウは一切必要なく、取りかかる場所や順番に決まりはありません。時間も体力も使わないので、気軽に続けられ、自然と捨て力がつくのが魅力です。
体験してくれた読者 Yさん(40代) 夫、長男(10歳)、二男(5歳)と4LDKの一戸建てに暮らすフルタイムの仕事に、PTAの役員など多忙な毎日を送っているYさん。整理が苦手で、探し物が見つからないとすぐ買って解決してしまうそう。今回はキッチンのゆる捨てに挑戦しました。
中身を把握しきれていない、キッチン収納の中をゆる捨て
キッチン横の収納棚は、モノトーン収納に憧れてそろえたカゴがずらり。しかしそのカゴひとつひとつになにが入っているか把握できていないとYさん。ここから少しずつ手をつけていきます。
「食品や買い物袋などをしまっていますが、適当に入れているのでぐちゃぐちゃ。全部見るのは大変だから、気になる場所だけやってみます!」
●まずは、ついあふれがちな袋類を整理
朝、出勤前の隙間時間で、買い物袋の入っているボックスをゆる捨てしました。
<捨てたもの>「全部出していらないものを抜き、ボックスに収まる分だけにしました。1年前に子どもに買ってあげたはずのオモチャが入っていて、びっくり!」
【BEFORE】
スペースに入ればOKとばかりに詰まった袋類。
【AFTER】
もっている袋を上から見渡せるようになりました。
●食品のストックケースから賞味期限切れのものを処分
夕食後の片づけのついでに、気になるカゴだけ出して賞味期限ぎれを確認。
<捨てたもの>「小麦粉、乾物、レトルトなど在庫に気づかず買ったものが多く、確認せずに買い物しているのがばれますね…(笑)」
【BEFORE】
重複している食品も、ちらほら。
【AFTER】
半分近く減らすことができました。
●収納棚上の薬ケースを整理
もしものためにとっておいた処方薬が、箱に入らないほどの量に。
<捨てたもの>「中身がない袋や箱、ビンがいっぱい。もらった時期や用法がわからない薬も出てきて、取っておいても意味がないと痛感しました」
●人はあいている箱があると埋めたくなってしまうもの
収納棚にぴったりのカゴで仕切ると、見た目はきれいですが、中にものをつめたい衝動にかられてしまいます。
「カゴこそがいらないものでは」という視点に立ってみるといいかもしれません。
「あれがない、これがない」と混乱していたシンク下を改善!
続いては、保存容器や弁当グッズを入れた、シンク下の大きなひきだしに着手。
使いたいものがサッと取り出せず、不便に感じているといいます。
●引き出し右のカゴを整理
まずは保存容器類が入った右側のカゴの中身だけをゆる捨て。
<捨てたもの>「フタしかないものや、劣化しているものなど数個捨てただけで、自然と整頓されました」
●引き出し左のカゴも整理
お風呂上がりのパック中にゆる捨て。子どもが小さい頃に使っていた離乳食用の道具やお弁当箱などを入れた、左のカゴの中身をチェックします。
<捨てたもの>「よく使うもの入れにしていたザルは、本来の定位置に戻しました」
●上から見てパッと見渡せるキッチン引き出し収納に変化!
ものを少し減らしただけでも、ぐっとキッチンの使い勝手が改善!
「整理しなきゃと思ってはいたのですが、少し捨てるだけで解決できるとは驚きです」
【BEFORE】
フタと容器が合わなくてイライラすることもあったそう。
【AFTER】
ざっと見渡して1アクションで取り出せるので、家事も時短になりました。
●プラスチック容器はコンディションを優先して
つい数が増えがちな、プラスチック製の保存容器類。繰り返し使って傷ができると、安全性が下がります。状態のいいものを使うか、ガラス容器に替えるなど検討を。