フジテレビで放送中の月9ドラマ『競争の番人』に出演している小池栄子さん。ドラマの見どころについてお聞きしました。
「公正取引委員会は日本社会の秩序を守るすばらしい仕事だと実感」
公正取引委員会(公取委)を舞台に、独占禁止法に関わる違反行為を取り締まり、不正を働く企業の隠された事実をあぶり出す痛快エンターテインメント『競争の番人』。新川帆立さんの同名小説をドラマ化した本作で、天才だがひねくれ者の小勝負 勉(坂口健太郎)と、まっすぐすぎる元刑事の白熊 楓(杏)が所属する公取委・第六審査、通称“ダイロク”の主査である桃園千代子を演じるのが、小池栄子さんです。
「公取委のことを全然知らなかったので、それを題材にした作品はおもしろいなと思いました。ただ、台本には、設定やストーリー展開のなかに、難易度の高い用語が羅列されているんです。本当に私たちが理解して演じないと視聴者には伝わらないから、内容を読み込むのが大変で…。そういった部分で、“おいてけぼり感”を抱かせないように、丁寧に演じることを心がけています」
●桃園は、小池さんの包容力が見事に発揮された役柄
桃園は、人心掌握術に長け、公取委にとって重要な聴取もお手のもの。とくに、中年男性にはウケがよく、“落としの桃園”と言われている、という役どころです。
「性格的には、姉御肌のツッコミタイプですが、私がこう演じたいと考えるよりも、ご覧いただく方がそれぞれ『桃園ってこういう人だよね』と感じていただきたいですね。そんなある意味でつかみどころのない自由な人物でいたいとも思っています」
確かに、桃園はちょっと頼りないキャップの風見慎一(大倉孝二)をフォローするしっかり者でもあり、個性豊かなダイロクのまとめ役ともいえるお姉さん的存在の一面も。多くの共演者から「いるだけで安心する」と言われる小池さんの包容力が見事に発揮された役柄のよう。
「風見キャップはおとぼけですからね(笑)。でも、キャップが困っているときに、その場しのぎで手を差し伸べる桃園の行動は、キャップに代わってダイロクを引っぱっていこうという気持ちや、自分がどうにかしようという使命感とは少し違う気がして。それよりも、自分の仕事をまっとうしたいとか、仲間を大事にしたい思いが強いんじゃないかな」
●住みよい社会をつくるため、黒子のように活躍
公取委を“弱小官庁”と卑下しながらも、ダイロクのメンバーが一丸となって巨悪な企業に立ち向かう姿から目が離せません。一方、公取委が国民にあまり知られておらず、利権も人材も予算もないという現状を憂いている桃園の存在は、世間に公取委の認知を高める一助にもなっています。
「コツコツと積み上げる地味な仕事が多いですが、公取委の皆さんのおかげで日本社会の秩序が保たれています。熱い使命感、正義感をもって、住みよい社会をつくるため、黒子のように活躍されているんです。そんなすばらしい仕事なんだと、桃園を演じて実感しました。本作をとおして、少しでも公取委で働く方の仕事を知っていただけたらうれしいです」
表舞台には登場しない、ニッポンの経済を守る正義のヒーロー“競争の番人”に、頼もしい助っ人が現れたようです。
『競争の番人』
毎週月曜 夜9時 フジテレビ系 全国ネット放送中