人生、100年時代、住まいとのつき合いはより長くなっていきます。だからこそ、快適な暮らしを実現したいもの。59歳のブロガー・中道あんさんは、2年前に自宅を改装。その経験を踏まえ、50代がこれから心地よい住まいづくりをするためのポイントを教えてもらいました。

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50代からのマンションリノベーション。心地よい暮らしを実現するための心得

あんさんのリビング
リフォームして居心地がよくなったわが家のLDK
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60代の暮らしを見据え、57歳で自分の部屋と1階をLDKにリノベーションしました。コロナ禍で自宅にいる時間が増えて、本当に良かったと思っています。もうこれで大がかりなリフォーム工事をすることはないだろうな、と思っていたのに、ひょんなことから妹夫婦の持ち家であるマンションリノベーションのプランを任されることになりました。

 

●妹夫婦がアメリカから帰国してくることに

妹は独身時代の26年前に新築マンション購入したものの、わずか1年だけ住んで渡米。現地で結婚しそのまま日本には帰ってきませんでした。残されたマンションの管理を私が請け負い、賃貸に出していました。そして、この春、入居者が退去した後、新しい入居者さんのために簡単なリフォームをしました。なんとその直後、妹夫婦は日本に永住を決意したのです。

コロナによって、世界中の人の生活が変わりました。リモートワークで通勤することがなくなり都心に住む必要性がなくなった人も多いでしょう。実際私の周りでも、地方に移住する人も増えています。妹夫婦もきっとコロナがなければ四半世紀以上暮らしたアメリカを離れることはなかっただろうと思います。

夫婦二人暮らし
※写真はイメージです

義弟はすでにシルバー世代で年金受給者。妹は丁度50代後半にさしかかるところ。体調や体力にも変化を感じることが多くなり、仕事に対する姿勢も変わってきた様子でした。このタイミングで日本に帰ることは、姉としても賛成です。

私は息子と2人暮らし、夫婦と親子では暮らし方は違うでしょうが、自分のリフォーム経験を踏まえて「50代2人暮らしの快適な住まい」を提案することにしました。

 

●理想の空間を思い浮かべる

物件は77平米のファミリータイプのマンション3LDK。妹は、夫婦2人と猫4匹の暮らしという家族構成です。

リビング
※写真はイメージです

住まいの中心はリビングです。食事や猫を含む団らんなど、一番過ごす時間が長い場所ですからスペースを広くとることにして、3LDKから2LDKへ変更。1LDKでもよかったのですが、いつか妹夫婦の孫が遊びにきたり、風邪などひいたら隔離部屋があると便利なので、ゲストルームとして1部屋置いておくことにしました。

リビングスペースを広くとった理由は、

・床面積の広がりは解放感があり、光と風が通りやすいので居心地がよい。

・リビングは1つの空間ですが、広くとることでゆとりあるパーソナルスペースを確保できる。

・高齢になるほど、人と繋がりは大事。ある程度の広さがあれば人を招きやすい。

・義弟はテレビが大好き。65インチのテレビを置くにはそれなりの広さが必要。

・キッチンをオープンにして料理をしている間もコミュニケーションを取りやすくする。

という、5つの視点からです。このあたりまで考えておくと、住み心地のいい家への実現度が高くなります。