擁壁に荷重をかけない地盤改良で300万円の出費に

安息角
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ちなみに、擁壁底から安息角といわれるラインの下まで基礎を掘り下げれば、擁壁に荷重はかかりません。行政機関を回りましたが、この擁壁の安全を証明できるものはありませんでした。

ということは、擁壁からかなり下がって安息角を確保するか、荷重をかけない方法を考えなければなりません。

できるだけ安価で、擁壁に荷重をかけない地盤改良方法を見つけましたが、それでも300万円程はかかってしまうことがわかりました。

結局、聞いていた説明と違うということで、夫妻は不動産会社と裁判をすることになりました。

 

「宅地造成事業による工事の完了検査済証」の確認を!

擁壁のある土地がみなダメというわけではありません。今度は、4.5mほどの擁壁があったものの、問題なく家が建てられた事例を紹介しましょう。

 

検査書ありの擁壁

こちらの場合は、30代の夫妻が土地を買う前に相談に見えました。昭和40年代に開発された、ひな壇型の敷地でした。

いろいろな街を見て回った結果、「坂のある街」が好きだとわかったそうです。

 

安全であることを証明された擁壁

まず行政機関を調査すると、この擁壁が安全であることを証明する「宅地造成事業による工事の完了検査済証」が見つかりました。

このケースは、市役所の都市整備部というところに資料が残っていたのです。

 

敷地いっぱいに建てられる

このことにより、敷地いっぱいに建てられることがわかったのです。

 

開放的で広い庭

周囲の視線を一切感じない、開放的で広い庭が手に入りました。

 

素晴らしい眺望

2階部の恩恵はさらに大きいものがありました。

 

屋上

すばらしい眺望が手に入りました。

 

安全に建てられれば、すばらしい家が建つ可能性も!

高低差があったり、擁壁があったりする敷地でも、安全に建てられることが証明できればとてもよい敷地となります。アクの強い食材が、調理法によってすばらしいひと皿になるのと同じです。

ですから、その土地にほれ込んだなら、状態が悪くても、擁壁をつくり替えて、安心と安全を担保して、家を建てることはできます。しかし、擁壁をやり替えるとなると、敷地にもよりますが、500万円程度はかかると考えたほうがいいでしょう。

また、擁壁があるということは、坂道があるというケースがほとんどです。将来に、年をとったときのこと、クルマに乗らなくなった場合のことまで含めて、考えておいた方がよいと思います。

 

土地探しで失敗しないよう、専門家のアドバイスを

本当に必要なのは「この土地になにが建てられるかという知識」です。これは専門家に相談するのが最善の方法だと思います。

私は候補のひとつと考えてもらっているなら無料で調査をしますが、費用の有無も相談時に確認しておいたほうがいいでしょう。

土地は一点もので、大変高い買い物です。「失敗しない土地探し」から「最高の土地探し」になるよう、参考にしてもらえればと思います。

 

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