立つ、歩く、しゃがむなど、日常的な動作の要であり、体を支える土台となっている股関節。

しかし、理学療法士として数多くの症例を見てきた佐藤正裕さんは「現代は若い人でも股関節に負担をかける生活習慣から、股関節が衰えている人が驚くほどたくさんいます」と警鐘を鳴らします。

人間の体の土台となっている股関節の不調は、肩こりや腰痛、便秘、冷えやむくみ、ポッコリおなかといった、女性に多いさまざまな悩みにも関係するそう。
「股関節をケアすれば、これらの悩みの改善が期待できます」

あなたの股関節、衰えていませんか?すぐわかる項目でチェック!

「股関節の衰えは、普段の何気ない行動や生活習慣にはっきり出ています」と佐藤さん。
ここでは歩き方に関する項目をご紹介。チェックして、股関節が正しく機能しているか確認しましょう!

●靴のかかとの減り方がかたよっている

靴のかかとの減り方がかたよっている
股関節が正常に使えているかどうかをチェック!
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靴のかかとがかたよって減ったり、左右で減り方に差が出るのは、股関節がきちんと使えず、歩き方がくずれているサイン。

理想は、かかとからぐっと着地し、体重を移動しながら親指から抜ける歩き方。ところが、女性に多い内股やO脚だと重心が外側にかたより、かかとも外側ばかりが減ることになります。

●よくつまずく

よくつまずく

つまずきやすかったり、転びやすい原因の多くは、つま先を上げてかかとからきちんと着地できていないため。

股関節が弱って正しい姿勢を保てなくなると、前かがみになりがち。すると、すり足やペタペタ歩きになってつま先が上がらず、ちょっとした段差でもつまずいてしまうのです。

● ハイヒールやウォーキングシューズを履くことが多い

ハイヒールやウォーキングシューズを履くことが多い

ハイヒールを上手に履きこなすには、ある程度の筋力が必要。筋力がないと、ひざが曲がり、でっちり姿勢になってしまいます。結果、おしりの筋肉が衰え、変なところに肉がつくことに。

また、ソールの高さがあるウォーキングシューズなど最近の婦人靴も、重心移動がスムーズになるよう設計されているので、同様のリスクを抱えています。歩き方の基本でもある、かかとからの着地ができず、おしりの筋肉をますます衰えさせてしまうのです。

● 足の爪が変形している、またはタコ、外反母趾がある

足の爪が変形している、またはタコ、外反母趾がある

足の爪の変形やタコ、外反母趾は、股関節のゆがみなど、体のバランスがくずれているサインです。

人間が歩くには、体の中心でもある股関節を使い、体重を前に移動します。ところが、股関節が十分に機能していないと、その負担は徐々に末端の関節へ。必要以上に足指を酷使するようになるため、足指は常に曲がった状態となり、足底で余計な箇所にストレスが生じます。

そのため、足指まわりの変形が起こったり、皮膚が厚くなったり、痛みが出るのです。

「フラミンゴ歩き」で効果的な筋トレを!

上の項目がひとつでも当てはまった人は、股関節が正しく機能していない可能性が。
「そんな人に試してもらいたいのが、『フラミンゴ歩き』です」と佐藤さん。

「歩く動きは『片脚立ち』の連続ですが、現代人は筋力低下や靴の影響から正しい片脚立ちができなくなっています。歩き方を見直し、かかとからの着地とフラミンゴのような片脚立ちを意識すれば、スタイルアップにも貢献します!」

その方法を教えてもらいました。

(1) かかとから前に踏み出す

かかとから前に踏み出す

脚を前に出したらひざを伸ばし、かかとからしっかり着地する。背筋はすっと伸ばし、視線は前方に。

(2) かかとがついたら即、片脚立ちに

かかとがついたら即、片脚立ちに

踏み出した脚のかかとがついた瞬間に、体重を移動させ、足裏全体に体重をのせる。後ろ脚は力を抜いて引き寄せ、フラミンゴのような姿勢を意識して。

(3) 再びかかとからつく

再びかかとからつく

引き寄せた後ろ脚を前に出し、再びかかとから着地して前に進む。

佐藤さんの著書『

奇跡の理学療法士が教える 最強の股関節セラピーで体はみるみる若返る!

』(扶桑社刊)には、股関節の不調を直すエクササイズや、股関節を正しく使うための生活習慣などを詳しく紹介しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。