夫婦が母との同居を機に、フルリノベーション前提で中古マンションを購入した事例です。ハイカウンターやモルタルの床が、バーのような雰囲気を醸し出すLDK、カーペットを敷いて縁側のようにくつろげるようにした出窓…。住まい手が欲しかった居場所を手に入れました。そこは、同居する2匹のネコにとってもお気に入りに。人もネコもハッピーな住まいです。
すべての画像を見る(全17枚)「ネコのため」を用意しすぎないこともポイント
●この家のプロフィール
- ・Iさんの家 東京都
・家族構成:夫40代 妻40代 母70代 ネコ(ポコ13歳、ミラン13歳)
・築年数:31年(1991年築)専有面積:98.22㎡
・工事費:1810万円(税・設計料込み)
・設計:オフィス・エコー
母との同居を機に、フルリノベーション前提で中古マンションを購入したIさん夫妻。富士山や美しい夜景が楽しめる絶好のロケーションを生かし、LDKは大開口から眺望を楽しめるように、ひとつながりに配しています。なかでも目を引くのが、夫の要望だったホームバーと、妻が願った広いキッチンを融合させた空間。それらを縁取るかのようにハイカウンターが配されています。
上の写真は、ハイカウンターやモルタルの床が、バーのような雰囲気を醸し出すLDK。ネコたちは、好きな場所で自由気ままに過ごしています。眺望のよさも魅力。開放的な気分で料理や食事を楽しんでいます。夜、照明をつけると、ガラリと雰囲気が変わるのもお気に入り。
真ちゅう製の足かけやカウンターチェアが、モルタルの床や厨房風のキッチンと相まってまさにバー。ほかにも、念願のミッドセンチュリーテイストで仕上げたリビングや、カーペットを敷いて縁側風にくつろげるようにした出窓など、どれも夫妻にとって大満足の空間となりました。
リビングのはき出し窓に設置したモダンな障子は、設計者の江本響さんのデザインによるオリジナル。ネコが穴をあけないよう、ワーロン紙(和紙を塩化ビニール樹脂で両面からラミネートしたもの)を使用しました。夫妻がイスに座っていると、ネコたちはすぐにひざの上に乗ってきます。
「設計段階では、江本さんからネコ階段などの提案もいただいたのですが、いろいろと考えたすえに、トイレにネコ専用の入り口をつくるだけにしました」と夫妻は振り返ります。
いざ、ネコたちと新居に移ってみると、「ミランは初日からくつろぎモード。前の家よりも元気になって性格も明るくなったよう。一方のポコは、出窓をとても気に入った様子でした」と妻。
気づけばネコたちは床から出窓へ跳び上がり、ひなたぼっこをしたり、ハイカウンターに飛び移って自由に歩き回ったり。またあるときは、カウンターチェアの背もたれでかくれんぼをすることも。
「結局、ネコは、家にあるさまざまな高さを利用して遊び、家じゅうがキャットタワーのようになりました」(妻)
晴れた日には、空に舞うツバメの群れを出窓越しに追いかけるなど、ネコたちは以前の家では見られなかった景色も楽しんでいる様子。
「夏は涼しいモルタルの床で涼み、冬は日だまりでまどろんで。2匹の気持ちよさそうな表情を見ていると、この子たちにとっても快適な家になってよかったなと思います」(夫)