53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小2の長男・うーちゃん、里子の4歳の長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、古泉さんと一緒に長距離を走ったうーちゃんのお話です。

◆前回のお話はこちら!

「僕いかない」。小1うーちゃんの謎のへそ曲がりと53歳の父の思い<古泉智浩の養子縁組やってみた89>

進級して黄色い帽子を脱いだ小2のうーちゃん。ジョギングを再開します

7歳の養子の男の子、うーちゃんが小学2年生になりました。朝の集団登校は6年生だった女の子2人が中学生になって抜けて、8人から6人になりました。急に寂しく見えます。
新1年生の加入が3人あるとのことなのですが、うーちゃんの集合場所から少し行った先での合流のため様子が分かりません。どんな子が一緒に通っているのかとても気になります。先回りして見てみたい、そんなことがうーちゃんにバレると嫌がられてしまうので、ちょっとしてからやってみようと思います。

2年生になると、それまで必須だった登下校の黄色い帽子を被らなくてよくなり、ランドセルに装着していた蛍光イエローのカバーもつけなくてもよくなります。うーちゃんはどっちも外して登校しました。ぐっと大人になったような感じがします。
一緒に通っているTくんは別の帽子を被って、大好きな新幹線のランドセルカバーをしていました。それはそれで個性を際立たせていて、決まり事を遵守している1年生とはわけが違うという感じがします。別に2年生が決まり事を守らないわけではないですが、なんだかそんな印象です。

●暇だったのか、古泉さんの走りにつき合ってくれたうーちゃん

春休みは午前中だけ学童保育に行っていて、午後から毎日暇を持て余していたようで、「明日走りに行くけど一緒に行く?」と聞いてみたところ行くと言うのでびっくりしました。これまで走るときは毎回誘っても断られていました。よほど暇だったのでしょう。
6歳のときに6km走って、7歳になってから7km走ってほしいと思っていたのですが全然つき合ってくれなくて、半ばあきらめていました。7歳と言ってももう2年生は8歳みたいなものなので、8kmを目標に走ってみることにしました。

4km先にある公民館を目指しました。前はそこから電車で帰っていましたが、今回は電車に乗らず走って戻ります。
その日は気温が15度で、15度以上なら半袖半ズボンで平気です。うーちゃんは半袖を着せようとしたら肌着しかなくて長袖Tシャツ、長ズボンで走っていました。僕は元気に半袖半ズボンでした。

住宅街を走るうーちゃん
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とにかくどんなにゆっくりでも歩かないで走りきろうと、1km7分半から8分くらいのゆっくりペースです。そんなゆっくりペースでしかも風があって、半袖半ズボンでは体が温まらずけっこう寒くて、失敗しました。

●動かない白い鳥を見たりしながら長距離を走ります

駅を通り過ぎて住宅街を抜け、川と並行してして走っていると、川には鴨が泳いでいました。見たことのない白い鳥が川に生えた木に止まっていて全然動きません。うーちゃんとそんな鳥について話しながら走りました。

以前はすぐに足が痛いとか、疲れたなど弱音を吐いていましたが、縄跳びに熱心に取り組んでいるせいか体力や脚力がついたようでまったく泣き言を言わず、公民館に到着しました。そこには冷水器があって水が飲めます。ところがその日はお休みで、近くの自販機で麦茶を買って飲みました。

もし疲れていたら帰りは電車もありです。しかし、まったく平気そうで、折り返しせず僕が普段走る遠回りの11kmコースを走りたいと言い出しました。いくらなんでもそれはちょっと急に無理じゃないだろうか。そっちに向かって走り出したら疲れても電車に乗ることもできません。今回8km走って平気だったら次は11kmの遠回りをしてみようと話しました。とても不服そうでした。

 

木にとまった白い鳥を見るうーちゃん

帰り道に川沿いを走るとさっきの白い鳥が動かないまま木に止まっていて、近くを通り過ぎる間もまったく動きません。
「もしかしたら白い鳥の人形を木にくくりつけているのかもしれないよ」
とうーちゃんに話すと、
「ちがうよ」
と言いました。確かにそんなことをする意図が不明です。